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新たな国際頭脳循環モード促進プログラム(ReNewMAP)成果報告会 ~渡航した学生らの瑞々しい声を聞く~

国際科学技術共同研究推進事業(戦略的国際共同研究プログラム)

https://www.jst.go.jp/inter/index.html

戦略的国際共同研究プログラム(SICORP)「新たな国際頭脳循環モード促進プログラム」(ReNewMAP:Researcher New-mode Mobility Accelerator Program)は、日本の科学技術の発展を将来にわたり国際的にリードしていく研究者の育成に資するため、若手研究者の先進国への渡航を支援し、将来の長期留学やポスト獲得、国際共同研究の実施などの国際的な研究活動への一歩を踏み出すきっかけ作りを促進するプログラムです。
デジタルサイエンス、AI、量子技術に関連する先端分野において、若手研究者が渡航し、共同研究を行う対象国(アメリカ、イギリス、ドイツ、イタリア、オーストラリア、フランス、カナダ、スペイン、オランダ、スイス、スウェーデン)との二国間共同研究課題の募集を2022(令和4)年7月に行い、9課題が採択されました。JSTは共同研究や渡航にかかる費用を支援し、支援期間は2023(令和5)年2月から約1年間です。

プログラムの詳細:
https://www.jst.go.jp/inter/program/sicorp/renewmap.html

2024(令和6)年3月末に研究期間が終了することに合わせて、3月25日にJST東京本部(サイエンスプラザ)にて成果報告会を開催しました。 このプログラムでは、国際共同研究を実施する研究代表者はメンターという位置づけで、その指導を受ける学生や若手研究者が相手国側に渡航して研究活動を遂行します。

成果報告会では、前半、原則としてこのプログラムの主役である、渡航を実施した学生や若手研究者9名に発表をしてもらい、研究主幹の宮野 健次郎先生や、他の研究者との質疑応答や意見交換をしました。後半では、渡航した研究者が提出した手記の中から、研究や渡航にまつわる苦労話や将来への展望などをピックアップし、座談会形式で詳しく掘り下げて話を聞きました。

全体として、まとまった期間に十分な支援を受けて渡航先での研究活動をできたことは、研究そのものが進んだだけではなく、相手国側で研究仲間ができた、著名な研究者を日本へ招へいすることにつながった、共著論文の執筆につながった、海外の研究機関でコミュニティの一員となって活動する入り口に立てた、研究を続けるモチベーションが上がった、個人的な成長の機会となった、などプログラムが期待していた成果がありました。一方で、住まい探し、ビザの取得、知財の取り扱いなど、さまざまな場面での苦労もあったようです。また、日本との違いとして、研究室同士の敷居が低く、オープンスペースが多い環境が、違う分野の人と交わる機会を増やし、新たなアイデアを生みやすくしているとの意見が複数ありました。

小規模の支援ではありましたが、メンターからは、学生や若手研究者が国際共同研究を始める準備と位置づけられ、ちょうど良いスケールであるとの意見も聞かれました。

渡航した学生や研究者の手記および終了報告書は、2024(令和6)年夏以降、SICORPウェブサイトに掲載される予定です。

(国際部 事業実施グループ 白石・豊福)

  • 発表を終えて(アメリカからのオンライン参加者はPCにて写真撮影となりました)

    発表を終えて(アメリカからのオンライン参加者はPCにて写真撮影となりました)