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共創の場形成支援プログラム(COI-NEXT)「地域共創分野」シンポジウム開催報告
STI for SDGsによる地域社会課題への挑戦
~地域共創分野の開始に向けて~

共創の場形成支援プログラム

https://www.jst.go.jp/pf/platform/

2021年3月19日(金)、共創の場形成支援プログラム(COI-NEXT)「地域共創分野」シンポジウムをオンラインにて開催いたしました。共創の場形成支援プログラム(COI-NEXT)は、大学等を中心として、企業や自治体・市民等の多様なステークホルダーを巻き込んだ産学官共創により、国連の持続可能な開発目標(SDGs)に基づく未来のあるべき社会像を拠点ビジョンとして掲げ、その実現のため「バックキャストによるイノベーションに資する研究開発」とそれを支える「自立的・持続的な拠点形成が可能な産学官共創システムの構築」をパッケージで推進するプログラムです。当プログラムにおいて、令和3年度より、地域大学等を中心とし、地域(自治体、企業等)とのパートナーシップによる、地域の社会課題解決や地域経済の発展を目的とした拠点形成を目指す「地域共創分野」を新設します。それに先立ち、当シンポジウムでは、この「地域共創分野」開始に向けての機運を高めるため、産学官民が目的を共有して地域課題解決に取り組む先行事例を紹介し、実践における秘訣や乗り越えてきた困難等についての議論を実施しました。当日は、ZoomウェビナーとYouTubeのライブ配信を併用し、全国の大学等の研究者やURA、産学連携コーディネーター、地域自治体職員等を中心に、のべ400名を超える方々にご参加いただきました。

はじめに、JSTの白木澤佳子理事、文部科学省産業連携・地域支援課長の斉藤卓也様より開会の挨拶があり、つづいて、JSTのイノベーション拠点推進部長より、当シンポジウムの開催趣旨や当プログラムの概要、新設する地域共創分野の概要が述べられました。

今回のシンポジウムでは、地域共創分野の開始に向けた機運を高めるため、以下の3点をトピックに取り上げ、特別講演1件と地域課題解決への取組み事例紹介5件を取り上げました。

  • ・地域の未来のあるべき社会像(社会課題)を捉えるポイントは何か
  • ・社会課題からバックキャストする際の重要な視点は何か
  • ・多くのステークホルダーとの関係構築(巻き込み方)の秘訣は何か

<特別講演>

■「SDGsを起点とした、共創による地域の課題解決にむけて」
小原 愛 氏(一般社団法人Japan Innovation Network ディレクター)

<地域課題解決への取組み事例紹介>

■「人口減少社会における持続可能な汚水処理の実現 ~産官学による新技術開発と地域課題の解決~」
藤原 拓 氏(高知大学 教授)
大澤 裕志 氏(前澤工業(株)環境ソリューション事業部官需推進部長)
■「科学技術が地域に果たす新しい貢献のかたち - ニーズから生まれた共創コミュニティー -」
増田 貴史 氏(北陸先端科学技術大学院大学 講師)
杉山 歩 氏(山梨県立大学 准教授/山梨大学 特任准教授)
■「みんなでつくる地域のためのモビリティシステム ~ JST-COI プログラムによる実践研究を中心に ~」
有吉 亮 氏(横浜国立大学 特任准教授)
■「會津価値創造フォーラム、サードプレイスを中心とした連携」
藤井 靖史 氏(會津価値創造フォーラム)
■「大学と地域が連携した取組について ~先端金属素材グローバル拠点創出事業~」
太田 史朗 氏(島根県 商工労働部長)
服部 泰直 氏(島根大学 学長)

特別講演では、SDGsを基に地域共創を図ることの概略について、事例紹介では、各地域でのプロジェクトにおける研究開発や体制構築において意識した点や苦労した点について講演いただきました。各講演は、ギジログガールズ様によるグラフィックレコードを依頼し、講演内容や議論の様子についてイラストを交えた模式図で記録していただきました。

シンポジウム後半では、登壇者全員によるパネルディスカッションを実施し、各事例の秘訣や苦労した点を深掘りするとともに、参加者から寄せられた意見を取り上げ、議論を交わしました。最後に、登壇された皆様から、シンポジウムから得られた気づき・地域共創の次のステップに向けたコメントをお話しいただき、シンポジウムを締めくくりました。

共創の場形成支援プログラム(COI-NEXT)「地域共創分野」シンポジウム開催概要(PDF:1.23MB)

【関連リンク】

配信映像

登壇者資料・グラフィックレコード画像

→ 3月23日のNews