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SIP防災シンポジウム2017を開催しました
2017年07月27日 フクラシア東京ステーション(東京都千代田区)

SIPレジリエントな防災・減災機能の強化 https://www.jst.go.jp/sip/k08.html

平成29年7月27日(木)、フクラシア東京ステーションにおいて、内閣府及びJSTの共催による公開シンポジウムを開催しました。

SIPレジリエントな防災・減災機能の強化では、府省連携により災害情報をリアルタイムで共有・利活用する仕組を構築するとともに、地域における防災リテラシーを向上させることで、国民一人ひとりの防災力の向上をめざしています。

今回のシンポジウムでは、開会にあたり久間 和生総合科学技術・イノベーション会議常勤議員より、SIPレジリエントな防災・減災機能の強化は昨年の熊本地震や今月に発生した九州北部豪雨等で既に大きな成果が出ているが、防災としてのSociety 5.0の実現に向け、政府、自治体等の公的機関のみならず、民間や住民コミュニティが協力して防災活動に取り組むための防災情報サービスプラットフォームの構築に期待している、とのご挨拶を頂戴しました。

次に、堀 宗朗プログラムディレクター(東京大学地震研究所巨大地震津波災害予測研究センター 教授・センター長)から、SIPでは南海トラフ地震、首都直下地震などの自然災害の脅威に対して、迅速で効果的な人命救助や災害対応、復旧及び早期の経済回復を可能とするシステム、府省庁連携防災情報システム(SIP4D)を構築し、それを社会に実装することを目指していること。さらに、このSIP4Dを基盤とし、Society 5.0の実現に向け、都道府県、さらには市町村の自治体レベルに展開するための防災情報サービスプラットフォームの構築に向け取り組んでいることを報告しました。

続く講演の部では、現在SIPレジリエントな防災・減災機能の強化で取り組む7つの研究開発テーマの研究責任者と、“現場”で防災を推進する地方公共団体や企業の担当者とが一堂に会し、「Society 5.0を目指して、今、防災は新たなステージへ」というテーマで講演いただきました。
前半は「災害を予測する・予防する」として津波や豪雨・竜巻、液状化に関する研究開発の取り組み、後半は「災害に対応する」分野で、情報共有や情報配信技術、地域連携に関する取り組みなどを紹介しました。

また、パネルディスカッションでは、「災害リスク社会とAI未来創造社会「Society5.0」」と題し、研究者とユーザーが対談形式でSIPの現状、SIPの取り組みと活用、今後の課題等について意見交換を行いました。ユーザーとしてご登壇いただいた千葉県及び愛知県碧南市からは、今後の課題として公助のみならず、自助・共助や当事者意識を持った活動の重要性など、自治体として防災に取り組んでこられた方ならではのご指摘をいただきました。

最後に内閣府黒田 亮官房審議官より、内閣府としても、ぜひこの防災のプログラムを先頭に府省連携を進めSIPでの技術開発成果を実際の社会実装に近づけて行きたい、とのご挨拶をもってプログラムを終了しました。

なお、別会場では並行して、関係する20以上の研究機関が参加し、ポスターセッションを行いました。場内にポスターや模型、デモ機などを展示し、来場者からの質問に研究者が直接回答するなどしながら、それぞれの取り組みを発表しました。

今後もレジリエントな防災・減災機能の強化では、府省庁連携による取り組みを強力に推進し、研究開発成果の社会実装へ向け取り組んでいきます。


久間議員挨拶


掘PDのプロジェクト概要説明


講演会場の様子


パネルディスカッションの様子


黒田審議官挨拶


ポスターセッションの様子