研究課題

※研究機関名は、研究実施場所(クロスアポイントメント先機関)
※2026/4/1時点

2025年度採択

海塩 渉 京都大学

グラント番号:JPMJBY25A4
AI×建築学×医学が拓く住宅環境による先制医療
近年、先制医療(①予防・②個別化・③予測可能)へのパラダイムシフトが始まり、機械学習がその駆動力となっています。現在は生活習慣改善による一次予防が健康政策の主軸ですが、近年、自然に健康になれる環境づくりの文脈で「住宅環境改善によるゼロ次予防」が大きな注目を集めています。しかし、住宅環境による①疾病予防効果、②効果の個人差、③健康影響の予測可能性は未解明です。本研究はAI×建築学×医学の3領域融合により、住宅環境による先制医療に向けたエビデンス創出を目的とします。具体的には、①実測とデータ収集による「住宅環境×健康データベース」の構築、および②機械学習モデルによる解析の2つを柱に研究を進めます。

大城 泰平 大阪大学

グラント番号:JPMJBY25A6
組合せ的科学計算による反応速度論数値解法の深化
計算機を用いて科学研究に取り組む計算科学は、近年のAI技術の発展とともに新たな注目を集めています。本研究は、化学反応の進行を記述する支配方程式を対象として、古典的な数値計算および組合せ的科学計算に立ち返り、数値安定かつ高速な数値解法を開発することを目的とします。研究代表者がその数理的基礎を整備した速度定数行列縮約法を基盤とし、疎行列計算との融合や出力解の不連続性を解消する数値計算手法を構築・実装することで、来たる十万頂点規模の超大規模反応経路ネットワークにも対応可能な高速・高精度解析を実現し、「AIによる科学」の発展に貢献します。

加藤 祥太 産業技術総合研究所

グラント番号:JPMJBY25A8
製造プロセスを理解するマルチモーダルAIによる知識継承とモデル生成基盤の創出
プロセス産業において技術継承やモデル構築を行う際、プロセス図面・技術文書・数式などの多様なデータを統合的に理解することが重要です。しかし、従来技術はデータ種別ごとの個別処理に留まっており、知識が横断的に活用されていません。本研究では、製造プロセスのドメイン知識に基づき、数式抽出と意味解析技術、画像理解技術、自然言語理解技術を融合したマルチモーダルAI基盤を開発します。具体的には、プロセス図面と数式情報を統合する表現学習基盤を構築し、知識グラフを用いて専門知識を体系化します。それらに基づいて物理モデル自動構築システムと質問応答システムを整備し、熟練者不足や技術伝承の課題解決に貢献します。

兼重 美希 九州大学

グラント番号:JPMJBY25A9
脊髄損傷者の生活改善を実現するAI制御神経回路の開発
脊髄損傷による手指の随意運動の喪失は、日常生活自立度の低下を招く深刻な問題です。しかし、損傷より上流の脳や下流の神経・筋はその機能を失っていません。そのため、損傷より上流の脳活動をAIへ入力し、AIを介して損傷より下流の神経・筋を電気刺激により賦活するAI制御神経回路を開発し、脊髄損傷者の失われた手指運動を再建し生活の改善を試みます。ヒトにAIを組み込むことで、多電極における刺激パラメータの自律的制御を達成し、意図した通りに自身の手指を制御します。そして、生活改善を実感できる程の実用的な手指運動を再建・回復させる個別化された治療法を遠隔から提供できる新たなリハビリテーション法を創出します。

河合 宏紀 京都大学

グラント番号:JPMJBY25B1
3次元電子顕微鏡画像の統計的定量解析を可能とするAIの開発
電子顕微鏡の進歩により、細胞や組織の超微細な3次元構造を撮影できるようになりましたが、膨大な画像データの解析は人手に頼り、少数サンプルの観察にとどまっています。本研究では、最新のAI技術(基盤モデルと強化学習)を組み合わせて、熟練者の判断を模倣し複雑な細胞構造を自動追跡するエージェントを開発します。これを用いて神経軸索の微細構造を解析し、神経細胞の発達過程や遺伝子の影響を多数のサンプルで統計的に比較します。3次元電子顕微鏡画像では従来困難だった標準的な定量解析を実現し、本手法の実用性を実証することで、医療や創薬への応用も期待されます。

久野 拓真 大阪大学

グラント番号:JPMJBY25B4
ピコ秒応答を可能とするAI型光送受信器
人類のデータ消費量が指数関数的に増加する中、光送受信器の通信速度も向上を続けています。しかし、高速化に伴う様々な信号劣化要因により、その性能向上には限界が見えつつあります。本研究では、従来の信号処理回路では補償が困難であった非線形性や帯域制限などの劣化要因に対し、低計算量なAI補償器を導入することで、信号品質を向上させ,通信速度の飛躍的な向上を目指します。特に、機械学習機が持つ高い表現力と適応能力を、物理モデルと融合的に組み合わせることで、高信頼かつ実時間で動作可能な次世代信号処理技術の確立を目指します。

Jacinto Colan 東北大学

グラント番号:JPMJBY25B7
Generative Constraints for Embodied AI: Human-in-the-Loop Adversarial Self-Learning
本研究は、ロボットが「補助輪」のように自らの学習制約を動的に生成・調整する「制約生成学習」を確立するものです。従来の手法では困難だった複雑な物理的接触を伴うタスクにおいて、AIが安全性と効率性を両立した学習カリキュラムを自律的に構築します。具体的には、深層生成モデルと人間の戦略的助言(LLM経由)を融合させ、試行錯誤の過程を最適化します。本技術を着衣支援タスクで実証し、介護現場の労働力不足解消やSociety 5.0の実現に貢献する、安全で適応的な身体性AIの基盤技術を創出します。

橋本 和宗 名古屋大学

グラント番号:JPMJBY25E0
対話と論理仕様で実現する知能制御システムの高信頼化
本研究では、自然言語指示や環境情報から移動体(ロボットや車両)が実行するべきタスク仕様を自動生成し、その仕様に基づいて経路・行動を計画する対話型インターフェースの構築を目指します。特に、タスク仕様として信号時相論理を採用することで、タスクの時間的・空間的制約を明示化し、End-to-End 手法に比べて説明可能性と安全性の向上を図ります。さらに、対話や実行結果に対するユーザー評価を用いて仕様を適切に調整することで、利用者の意図や嗜好に適応する高信頼な知能制御システムを実現します。加えて、複数ロボットから成るマルチエージェント協調タスクへ拡張し、自律搬送ロボット等による実機実験を通じて有効性を検証します。

濱田 雄太 理化学研究所

グラント番号:JPMJBY25E1
データ科学としての超弦理論の新展開
量子重力理論の有力候補である超弦理論において、膨大な数の解の構造をAI技術で効率的に探索し、そこから物理量に関する予言の導出を目指します。特に、(1) 超弦理論の最も主要な解であるフラックス真空の効率的なサンプリング、(2) 暗黒物質の質量と相互作用の大きさに関する統計的予言、(3) 散乱振幅に基づく量子重力理論/超弦理論の新たな整合性条件の導出という三つのテーマに取り組みます。生成モデルや関数近似型ニューラルネットの活用により、これまで解析的手法が中心であった超弦理論研究に計算科学を融合させます。これにより、超弦理論から素粒子実験・宇宙観測へと繋がる検証可能な統計的予言を与えます。

御手洗 彰 京都産業大学

グラント番号:JPMJBY25E5
マルチモーダル生成AIによる双方向Motion-EMG生成を用いた次世代リハビリテーション評価システムの開発
超高齢社会においてリハビリテーション医療の重要性が増しています。現在のリハビリテーション現場では、患者の機能評価は様々な制約により、療法士の主観的判断に依存せざる得ない現状があります。本研究では、マルチモーダル生成AIを開発し、人間の身体動作の映像と筋活動の双方向生成を実現します。動作から筋活動を生成し、Webカメラ等の簡易な方法で筋活動の評価を可能にします。筋活動から実行可能動作を生成することで、患者の回復レベルを運動単位で評価可能にします。本研究により、療法士の専門性とAI技術を融合させた次世代のリハビリテーション評価システムを実現し、リハビリテーション医療の質向上に貢献します。

椋田 悠介 理化学研究所

グラント番号:JPMJBY25E8
大規模言語モデルを活用した汎用的なポリシーの獲得
本研究では大規模言語モデルにより生成した様々なボードゲーム環境を強化学習モデルが解いていくことにより、未知のゲームにおいても上手く振る舞える汎用的なポリシーの獲得を行うための学習フレームワークの構築を目指します。そのために言語モデルにより学習に有用なゲームを生成させるシステム、異なるルールや入出力空間を統一的に扱う行動生成モデルの構造や学習手法、モデル学習の進捗に応じて言語モデルが最適なゲームを用意するためのカリキュラム設計について研究を行います。具体的なゲームとして、オセロや将棋などのグリッド状の状態空間を持つ完全情報ゲームのルールを拡張したゲームを主な対象とします。

李 勝 京都大学

グラント番号:JPMJBY25F6
Next-Generation Spoken-Language Processing for Robotic and Edge AI Devices Empowered by LLM
LLMで強化された次世代ロボット・エッジAI向け音声言語処理

近年の音声言語処理の進展は、大規模データセットと多数のパラメータで訓練された大規模言語モデル(LLM)によって牽引されています。しかし、これらのモデルをエッジAIデバイス、特にロボットプラットフォームに実装することは、利用可能な計算資源が限られているため依然として大きな課題となっています。既存の解決策は、クラウドベースのAPIや従来型の非LLMフレームワークに依存することが多く、プライバシーの懸念を引き起こしたり、最先端の性能を達成できなかったりする場合があります。本研究では、従来の音声言語処理、特に音声信号処理の手法を再検討し、それらをLLMベースの手法へと移行させることに焦点を当てます。さらに、高精度な最先端の音声処理能力を、性能を損なうことなくロボットやエッジAIシステムにシームレスに統合することも研究の中心としています。

  • ※採択者は、機関間のクロスアポイントメント協定の調整に時間を要する場合等に、クロスアポイントメント先機関で研究開始できる体制が整うまでの間、最長1年間、採択者の資格を持ったまま研究開始を猶予します。
  • ※条件が整い、研究開始され次第、順次本ページに掲載いたします。