平成13年12月20日 埼玉県川口市本町4−1−8 科学技術振興事業団 電話(048)226-5606(総務部広報室) |
科学技術振興事業団(理事長 沖村憲樹)は、長崎総合科学大学人間環境学部環境文化学科
竹田仰教授、および埼玉県立大学保健医療福祉学部理学療法学科
中山彰一教授らの研究成果である「人工現実感による機能障害回復システム」を当事業団の委託開発制度の平成8年度課題として、平成9年1月から平成13年7月にかけて松下電器産業株式会社(代表取締役社長 中村邦夫、本社
大阪府門真市大字門真1006番地、資本金約2,110億円、電話:06-6908-1121)ならびに株式会社幸袋工作所(代表取締役社長 尾田義昭、本社
福岡県嘉穂郡庄内町大字有安958番地23号、資本金
2億5千万円、電話:0948-82-3901)に委託して開発を進めていた(開発費約4億円)が、このほど本開発を成功と認定した。
従来のリハビリテーションにおける運動療法は、理学療法士によるマンツーマンの運動指導や電動歩行器等の器械器具による運動療法が主であり、必ずしも、感覚と運動を協調させた運動療法ではなかった。また、従来の運動プログラムにおいては、ベッド期から歩行期までの一貫した運動を支援する器具は存在せず、様々な器具を用いて運動が行われ、一貫した運動プログラムの設定が困難という問題や患者にとって運動練習は単調で動機付け、意欲などの賦活に乏しくなりがち、などという問題があった。
本新技術は、リハビリテーションの運動療法において、患者と同じ動きをするキャラクタをディスプレーに表示することにより、仮想環境を作り出し、この仮想環境下において、関節可動域運動や関節の角度計測、あるいは、治療の初期段階の患者も含め幅広い患者に対応できる傾斜ベッド付き歩行運動装置による歩行運動等を行うことを可能とするシステムに関するものである。
本新技術により開発された装置により、回復度や達成度が実感でき、患者は楽しみながら運動を行うことができ、意欲向上に適しているとともに、関節の角度計測等も簡便に行うことが可能となった。脳卒中や各種傷害後の機能障害者のリハビリに幅広く利用され、早期回復と社会復帰を支援するものと期待される。今後は、運動プログラム等の充実、マーカー無しの三次元動作計測技術等を推進していくことにより、さらに拡がりを持ったシステムになることも期待できる。
・「人工現実感による機能障害回復システム」の開発に成功(背景・内容・効果)
・開発を終了した課題の評価
・図1.本システムの概要
・図2.本システムの使用イメージ(単独使用)
・図3.本システムの外観
・図4.コンテンツ画面
・図5.歩行運動による下肢のバランス回復及び筋力回復の例
(注) | この発表についての問い合わせは以下の通りです。 | |||||||||||||||
|
This page updated on December 25, 2001
Copyright©2001 Japan Science and Technology Corporation.