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JSTnews 2024年8月号
JSTnewsは、国立研究開発法人科学技術振興機構(略称JST)の広報誌です。
2024年8月号
- 特集
- 香りを自在にデザインする技術確立へ 人に優しいサービスの実現を目指す
複雑な多面体を瞬時に作る技術を発明 電気的に自己修復する素材も開発
P.03特集 1― 香りを自在にデザインする技術確立へ 人に優しいサービスの実現を目指す

「香り」はさまざまな場面で私たちの生活の質を左右する。しかし、視聴覚など他の五感に比べると、香りの活用は未開拓の領域だ。匂い・香り研究の先駆者である東京大学大学院農学生命科学研究科の東原和成教授は、これまで人の香りの感じ方を予測し、自在に香りをデザインする技術の確立を目指して研究を進めてきた。人に優しいサービスの実現を目指して、さらに研究の成果を社会実装できるよう、産学連携で取り組んでいる。
P.08特集 2― 複雑な多面体を瞬時に作る技術を発明 電気的に自己修復する素材も開発

熱収縮性シートに折り紙のパターンを印刷し、そのシートをお湯に浸す。すると、5秒もしないうちにシートが縮み、立体の形が出来上がる。この複雑な多面体を自動的に折り上げる技術「Inkjet 4D Print」を発明したのは、慶應義塾大学理工学部情報工学科の鳴海紘也准教授だ。その他にも、電気的に自己修復する新素材も開発している。ファッション業界を始めとした、ものづくりの世界に新たな方法論を加えた鳴海さんの発想の秘密や試行錯誤の過程、新技術の可能性などを聞いた。
P.12連載― イノベ見て歩き
第13回 セミの羽が持つ「ナノスパイク」に着目 薬剤を使わない抗菌・殺菌材の実用化へ

社会実装につながる研究開発現場を紹介する「イノベ見て歩き」。第13回は、セミの羽が持つ超微細な突起「ナノスパイク」に着目し、人工的にナノスパイク構造を作製して薬剤を使わない新たな抗菌・殺菌材の実用化を目指す関西大学システム理工学部機械工学科の伊藤健教授の取り組みを紹介する。
P.14NEWS & TOPICS

- 研究成果
- 方向感覚を失う「空間識失調」解明に道
- 研究成果
- パーキンソン病などの病変を可視化
- 研究成果
- 生分解性プラ合成に「主鎖編集」で切り込む
- 研究成果
- 有機半導体の電子ドーピングを安定化
P.16さきがける科学人― データサイエンスで「今」を読み解く グローバルヘルスの政策立案を支援

慶應義塾大学 グローバルリサーチインスティテュート 特任教授
野村 周平
ISSN 1349-6085
編集発行/ 国立研究開発法人科学技術振興機構 総務部広報課
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