JSTトップ>JSTnews>バックナンバー一覧 2018年度>2019年1月号
JSTnewsは、国立研究開発法人科学技術振興機構(略称JST)の広報誌です。JSTの活動と、最新の科学技術・産学官連携・理数教育などのニュースを、わかりやすくご紹介します。
P.03
新年のごあいさつ
JSTは、急速に変容する社会に対応し、日本にイノベーションをもたらす新たな潮流の起点となる独創的なネットワーク型研究所としての機能を確立すべく、組織改革のためのイニシアチブ「濵口プラン」を策定し、変革に挑戦してきました。その挑戦の一端が、課題解決型の研究開発事業である「未来社会創造事業」の創設や、科学技術と社会をつなぎ未来を共創するためのオープン・プラットフォームづくりです。今年は「濵口プラン」による改革に取り組んで3年の折り返し地点です。JSTがネットワーク型研究所として、社会により大きな付加価値を提供できるよう、ここからさらに改革を加速してまいります。
P.04
夢の分子で世界を変える
半世紀以上も化学者が挑み続けてきた「カーボンナノベルト」の合成が実現した。世界初の快挙を成し遂げたのは、名古屋大学大学院理学研究科の伊丹健一郎教授だ。この夢の分子はカーボンナノチューブの鋳型として、次世代材料と期待されるナノカーボン材料の精密合成や高機能化に道を拓く。
P.08
宇宙を読み解くビッグデータ
この10年ほどの間に、人工知能(AI)の技術は大きく発展した。現在、自動運転、医療、金融などさまざまな分野で導入されている。この流れは、AIとあまり縁がなさそうな天文学の分野でも進んでいる。東京大学大学院理学系研究科の吉田直紀教授は、宇宙観測によって得られたビッグデータをAIによって分析し、宇宙の理解を深める「統計計算宇宙物理学」の創出に取り組んでいる。
P.12Vol.5 戦略的創造研究推進事業CREST
1マイクロ秒で機能を切り替え 低消費エネルギーの小型ガスセンサー
低消費エネルギーで駆動するガスセンサーをスマートフォンなどモバイル端末に搭載し、呼気による健康管理に利用しようと試みているのが、慶應義塾大学理工学部の内田建教授だ。ガスセンサーの電圧を制御して、検出する物質をたった1マイクロ秒で切り替え、異なる複数のガスを認識することに成功した。
P.14JSTの最近のニュースから
NEWS & TOPICS
【研究成果】「ぱっと開く笑顔」や「おふざけ顔」表情豊かな子供型アンドロイドロボットを開発【研究成果】魚の脳器官で光の色を検出 色覚の起源にせまる【研究成果】CREST DEOSプロジェクトの成果を基に国際標準が制定 コンピューターシステムの信頼性向上へ【開催報告】科学と社会のこれからを考える サイエンスアゴラ in KOBEを共催
P.16先端的低炭素化技術開発(ALCA)
80年以上前の化学を復活させ環境負荷の低減を目指す
群馬大学 大学院理工学府群馬大学 食健康科学教育研究センター 助教橘 熊野
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世界で初めてカーボンナノベルトの合成に成功した名古屋大学の伊丹健一郎教授。熱い思いと優れたリーダーシップで多彩な研究者の力を結集し、12年の歳月をかけて成し遂げた。アイデアの源泉は、少年時代に夢中になったレゴブロックやドラえもん。「どんな小さなことでもユニークに生きれば、もっと面白くてワクワクする社会になる」と、新年の幕開けに夢ある未来を描く。