JSTトップ>JSTnews>バックナンバー一覧 2018年度>2018年6月号
JSTnewsは、国立研究開発法人科学技術振興機構(略称JST)の広報誌です。JSTの活動と、最新の科学技術・産学官連携・理数教育などのニュースを、わかりやすくご紹介します。
P.03
革新的な発光材料で市場の創出を目指す
近年、有機EL(エレクトロルミネッセンス)を応用したディスプレイや照明などの普及が加速している。現在の有機ELの発光材料は、発光原理の違いによって、「蛍光材料」と「リン光材料」に分かれるが、一長一短がある。九州大学最先端有機光エレクトロニクス研究センター(OPERA)の安達千波矢センター長は、これらに次ぐ新たな有機EL発光材料を開発している。目指すは市場の創出だ。
P.08
心を数学で解き明かし 人工知能との共生社会をつくる
ロボットや自動運転車など、人工知能と共生する社会の実現が迫っている。通信技術の発達によって急速に複雑化する環境から、人間や人工知能はいかに情報を認識し、機能を発揮していけるだろうか。より高度な人工システムを構築するため、中部大学創発学術院の津田一郎教授は、人間の脳活動や集団行動から機能分化の原理を見いだそうと、2017年10月にCRESTの研究をスタートした。同大の松田一希准教授も研究チームに加わり、解析対象を霊長類の集団行動へと広げ、多様な環境で適応可能な共通原理の探索に挑む。
P.12第13回 戦略的創造研究推進事業さきがけ
固体と液体の界面での原子の動きを解明!
環境負荷の低減やエネルギー問題の解決に向け、高効率の燃料電池や蓄電池の新技術が注目されている。開発には、電池内部の電気化学反応を原子レベルで、動作状況に近い時間スケールで追跡することが求められる。産業技術総合研究所物質計測標準研究部門の白澤徹郎主任研究員は、新しいX線回折法の開発に挑み、電極や触媒と電解質が触れ合う固液界面の原子構造の変化を従来の約100分の1に当たる1秒以下の時間スケールで捉えることに成功した。
P.14JSTの最近のニュースから
NEWS & TOPICS
【研究成果】単層カーボンナノチューブ薄膜の特異な光吸収特性を発見【研究成果】直進よりも蛇行が良い 泳ぎ方で繁殖に有利なウシの精子を選別【研究成果】簡便な方法でウイルスでできた熱伝導フィルムの開発に成功【開催報告】女性研究者の活躍促進に向けた取り組みを議論
P.16戦略的創造研究推進事業さきがけ
自分が好きなものを研究に
明治大学総合数理学部 先端メディアサイエンス学科 専任准教授五十嵐 悠紀
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「革新的発光材料」の研究に取り組む九州大学最先端有機光エレクトロニクス研究センターの安達千波矢センター長。閃光にも似た「ひらめき」が、やがて革新材料として社会の中で優れた価値を生み出し、新たな市場を創出する。