JSTトップ>JSTnews>バックナンバー一覧 2017年度>2018年2月号
JSTnewsは、国立研究開発法人科学技術振興機構(略称JST)の広報誌です。JSTの活動と、最新の科学技術・産学官連携・理数教育などのニュースを、わかりやすくご紹介します。
P.03
未来の社会へ はじめの一歩
陸上で生活する哺乳類の多くが4足歩行である中で、人類だけが直立2足歩行を獲得している。直立2足歩行のおかげで、人類は両手を自由に使って道具を作り、脳を発達させて言語を操り、高度な文明を築き上げてきた。かつて人類の祖先がそうであったように、「はじめの一歩」を踏み出す技術が未来の社会をつくっていく。
P.04未来の社会へ はじめの一歩
「歩きやすさ」をかなえるロボット義足
事故や病気で足を失った人の歩行を支える義足。東京大学大学院情報理工学系研究科の稲葉雅幸教授らは、ヒューマノイド(人型)ロボットの2足歩行技術を生かして、筋肉を模倣した電動アシスト付きの義足を開発している。より自然に歩ける義足を低価格で多くの人に届けようと、ベンチャーの起業をめざす。
P.08未来の社会へ はじめの一歩
「歩くだけ」でわかること
生体情報から個人を特定する生体認証といえば、顔や指紋、DNA、静脈などがまず思い浮かぶのではないだろうか。大阪大学産業科学研究所の八木康史教授らは、9万5,000人もの歩き方の映像データを集め、AI(人工知能)による解析技術を用いて高精度な歩容認証技術を開発した。さらに歩容から人物の意図や感情、健康状態などを読み取る技術にも取り組んでおり、犯罪捜査やセキュリティー管理といった安心・ 安全のみならず、幅広い活用が期待されている。
P.12第 9 回 戦略的創造研究推進事業 CREST
遺伝子発現の測定から、イネの生長に迫る
植物は環境の変化に応じて必要な遺伝子を働かせることで、環境に適応して生長する。植物が生きていく仕組みを理解するには、どの遺伝子が、どんな時に、どのくらい働いているのかを知ることが必要だ。龍谷大学の永野惇講師は、水田で育つイネの遺伝子発現を徹底的に測定し気象など環境情報と統合することで、遺伝子発現と環境、イネの生長の関係を説明できるモデルの構築をめざしている。
P.14JSTの最近のニュースから
NEWS & TOPICS
【研究成果】マウスの流産を引き起こすブルース効果の一端を解明 【開催報告】JST・NSF国際連携シンポジウム 「未来への挑戦~AIをとりまくフロンティア研究~」を開催 【研究成果】液体ヘリウムを使わず簡単に低コストで脳磁場を測定する高感度センサーを開発 【開催報告】蓄電池研究の国家プロジェクト合同セッションを開催
P.16戦略的創造研究推進事業 さきがけ
心地よく歩けるインフラ技術の開発をめざす
大阪大学 大学院情報科学研究科 助教古川 正紘
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東京大学大学院情報理工学系研究科の稲葉雅幸教授(左)らは、ヒューマノイド(人型)ロボットの2足歩行技術を生かして、筋肉を模倣した電動アシスト付きの義足を開発している。より自然に歩ける義足を低価格で多くの人に届けようと、ベンチャーの起業をめざす。