JSTトップ>JSTnews>バックナンバー一覧 2017年度>2017年8月号
JSTnewsは、国立研究開発法人科学技術振興機構(略称JST)の広報誌です。JSTの活動と、最新の科学技術・産学官連携・理数教育などのニュースを、わかりやすくご紹介します。
P.03
大学発、社会を変える特許 JSTの知財活用推進
身の回りの生活用品は知的財産であふれている。発明やデザインが知的財産権として守られることで、知的創造の意欲が高められ、産業は大きく発展してきた。 経済成長の原動力として、科学技術への期待はさらに高まっている。大学の技術移転において重要な知財マネジメントと産学連携活動を支援するJSTの事業とその成果を紹介する。
P.04大学発、社会を変える特許 JSTの知財活用推進
大学の知財マネジメントと産学連携活動の支援
大学では企業とは異なる発想や時間軸で研究開発が行われ、思いもよらない研究成果がたくさん生まれている。特許は大学の成果と企業をマッチングさせて、共同研究やライセンスといった技術移転につなげる上で重要な役割を担っている。 JSTは、特許というツールを活用し、大学などの知財マネジメントと産学連携の両輪を支援することにより、大学から生まれた研究成果を科学技術イノベーションへと結びつけることをめざしている。
P.06大学発、社会を変える特許 JSTの知財活用推進
独自の知的財産活動で大きな成果を上げる三重大学
JSTの大学等知財基盤強化支援の中で、外国特許出願支援(権利化支援)を利用しながら、独自の知財活動と、大学院での新たな取り組みで大きな成果を上げている三重大学イノベーション推進機構の狩野幹人准教授に、具体的な活動内容とその目的、成果の要因について話を聞いた。
P.09大学発、社会を変える特許 JSTの知財活用推進
ライセンスで花開く大学発の特許技術
大学の研究成果を実用化するために、JSTは特許になった成果のライセンス(実施許諾)を行い、技術移転先の企業との橋渡しを支援している。 東京大学大学院新領域創成科学研究科の鳥居徹教授らが発明した微小液滴生成技術の特許は、企業へライセンスされ、電子ペーパーの開発などの工業分野をはじめ、バイオテクノロジーなど、研究者の予想を超えた分野にまで広がり、実用化への道を歩んでいる。
P.12第 3 回 戦略的創造研究推進事業
金沢発の技術でたんぱく質の構造と動きの直接観察を可能に
たんぱく質のうち、力を出したり動いたりと独特に振る舞い、運動や物質の輸送に関わるものをモーターたんぱく質」と呼ぶ。その分子が動く様子を直接動画で見ることができるのは、現在、高速原子間力顕微鏡(高速AFM)だけだ。その開発を手掛けた金沢大学理工研究域バイオAFM先端研究センターの安藤敏夫特任教授と、装置の高速化に貢献しミオシンV分子が「歩く」姿を捉えた古寺哲幸准教授に話を聞いた。
P.14JSTの最近のニュースから
NEWS & TOPICS
【研究成果】熱の運び手フォノンの制御に成功 【話題】日本科学未来館の常設展に新しく4展示がオープン 【研究成果】最先端の電子顕微鏡開発 原子1個の内部電場の直接観察に成功 【開催報告】研究データを活用する社会の実現に向けて
P.16戦略的創造研究推進事業
安全な幹細胞で再生医療に貢献
東京大学大学院総合文化研究科 准教授吉本 敬太郎
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微小流路を利用した微小液滴生成方法で特許を取得した、東京大学大学院新領域創成科学研究科の鳥居徹教授。開発した技術は応用分野が大きく広がっている。手にしているのはライセンス先企業の1つである綜研化学により製品化された、ツイストボールによる電子ペーパー。東京大学の安田講堂が描かれている。青と白の色は反転させることができる。