JSTトップ>JSTnews>バックナンバー一覧 2016年度>2016年11月号
JSTnewsは、国立研究開発法人科学技術振興機構(略称JST)の広報誌です。JSTの活動と、最新の科学技術・産学官連携・理数教育などのニュースを、わかりやすくご紹介します。
P.03アルゴリズムが社会を変える
巨大ネットワークを読み解き、社会に役立てる
コンピューターはいまや、人々の生活に欠かせない存在である。さらにここ数年、人工知能の第3次ブームとい われるように、コンピューターによる知能の獲得に大きな期待が集まっている。 一方、膨大に増え続けるネットワーク上の情報量は、コンピューターの処理能力をはるかに超えつつある。そこで必要となるのが情報学や数学の基礎理論であり、それらの理論に裏打ちされた高速な処理を可能にする計算方式の「アルゴリズム」だ。 果たして、高速アルゴリズムの開発はどのように行われているのか。 高速アルゴリズムの開発に挑むERATO 「河原林巨大グラフプロジェクト」の活動を紹介する。
P.04アルゴリズムが社会を変える
巨大ネットワークの解析で情報学を牽引
数年前よりネットワーク上で増え続ける「ビッグデータ」が脚光を浴びている。膨大なデータを解析することで、社会の課題を解決するような価値ある情報が取り出せると期待されているのだ。この巨大なネットワークを点と辺からなる「グラフ」で表わし、数学を使って解析を試みようとするのがERATO「河原林巨大グラフプロジェクト」の目的である。研究総括を務める国立情報学研究所の河原林健一教授がその概要と意義、成果について語る。
P.10AIPネットワークラボが始動
人工知能(AI)、IoT(モノのインターネット)やビッグデータによる技術革新は、かつてないスピードで進行しており、これらの技術による産業構造の変革は第4次産業革命とも呼ばれている。政府は、情報技術の進展と応用を産学官連携で推進する方針を打ち出した。文部科学省が開始したAIPプロジェクトの実施機関として、JSTはAIPネットワークラボを運営するなど、最先端の情報技術と、それを支える情報学全体の発展と人材育成、そして情報技術と調和した社会の実現に取り組んでいる。
P.12~シリーズ3 食の未来を考える 第1回~
「育てる漁業」の高度化をめざしてタイと共同研究
海に囲まれた日本にとって、魚介類は昔から大切なたんぱく源となっている。しかし、近年は世界的に水産物の需要が急増しており、天然資源の乱獲が心配されている。そこで期待されるのが「育てる漁業」だ。すでに、世界の食用の養殖水産物は全体の5割以上を占めているが、養殖現場では感染症の多発や飼料の確保、食品としての安全性確保など課題も少なくない。さらに、安定した事業継続のために市場価値の高い魚介類の養殖が望まれている。
P.14JSTの最近のニュースから…
NEWS & TOPICS
【イベント】未来館の科学コミュニケーターたちと一緒にノーベル賞を100%楽しもう 【話題】希望の大陸・アフリカに科学技術を継続支援
P.16次世代人材育成事業 スーパーサイエンスハイスクール(SSH)支援
「本物」の力で宇宙の魅力を伝えたい
千葉県立佐倉高等学校 教諭 中島 朋
ページトップへ
東京・大手町のビル街を背にした河原林健一 国立情報学研究所 情報学プリンシプル研究系教授(ビッグデータ数理国際研究センター センター長)。“社会を変える”高速アルゴリズムの開発に挑んでいる。