JSTトップ>JSTnews>バックナンバー一覧 2016年度>2016年9月号
JSTnewsは、国立研究開発法人科学技術振興機構(略称JST)の広報誌です。JSTの活動と、最新の科学技術・産学官連携・理数教育などのニュースを、わかりやすくご紹介します。
P.03
ウェアラブル さらにその先へ 羽より軽く、ラップより薄く 柔らかな電子部品が世界を変える
ひとの皮膚や臓器の表面に薄いシート型センサーを貼り付ければ、いつでもどこでも体調の変化や病気の原因や兆候をつかめる――。そんなSFのような世界が間もなく実現するかもしれない。挑んでいるのは、東京大学大学院工学系研究科の染谷隆夫教授が率いるERATO染谷生体調和エレクトロニクスプロジェクトだ。羽より軽くてラップより薄く、柔軟に伸び縮みする。これまでにない電子部品を次々に開発してきた。ヘルスケアや医療、福祉、スポーツ分野の一大革新が期待される。
P.12~シリーズ2 地球の水を考える 2回~
新しい“山の手入れ”で、森の命と水循環を救う
日本は国土の約65%を森林が占める「森の国」である。これまで輸入材の増加で国産木材価格が低迷し、林業従事者の高齢化もあって人工林の荒廃が進んでいた。鬱蒼と茂った森林は豊かに水を蓄えているように見えるが、雨水は枝葉から蒸発してしまい、土壌にまでは浸透しない。森の機能を回復させる有力な対策が、間伐である。適切な間伐により、雨水の蒸発が減り、光が森林下層にまで届くことで下草が回復し、土壌への浸透能力が高まる。同時に、表面流による土砂流失や濁水も防ぐことができる。
P.14JSTの最近のニュースから…
NEWS & TOPICS
【研究成果】ささいな出来事が長く記憶される仕組みを解明 【研究成果】自由に切って、表示できるディスプレイを開発 【開催報告】将来の低炭素技術におけるALCAの役割を強くアピール 【開催報告】イノベーション創出を促進する大学の知的財産マネジメントの実現に向けて
P.16地球規模課題対応国際科学技術協力プログラム SATREPS
言葉のつなぎ役から、人と技術のつなぎ役へ
京都大学 防災研究所 流域災害研究センター 特定研究員 藤田久美子
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手の甲にセンサーシートを貼った東京大学大学院工学系研究科の染谷隆夫教授。非常にしなやかで、手のしわのような複雑な表面の形状にも追従し、ぴったりと密着させることができる。羽よりも軽くてラップより薄いため、皮膚に貼っても装着感がない。