JSTトップ>JSTnews>バックナンバー一覧 2016年度>2016年7月号
JSTnewsは、国立研究開発法人科学技術振興機構(略称JST)の広報誌です。JSTの活動と、最新の科学技術・産学官連携・理数教育などのニュースを、わかりやすくご紹介します。
P.03
芸術と科学の融合で「感動」をつくる
タリバンによって2001年に爆破された、アフガニスタンのバーミヤン東大仏の天井壁画「天翔る太陽神」が復元された。文部科学省とJSTが推進する「センター・オブ・イノベーション(COI)プログラム」の大きな成果である。実現したのはCOI拠点の1つ、宮廻(みやさこ)正明・東京藝術大学教授が研究リーダーを務める「『感動』を創造する芸術と科学技術による共感覚イノベーション拠点」だ。
P.04芸術と科学の融合で「感動」をつくる
アフガニスタン流出文化財を救う 失われた壁画をクローン文化財として復元
東西文明の十字路として栄えたアフガニスタン。果てしなく続く戦火により貴重な文化遺産が破壊され、略奪されてきた。バーミヤンの東西2つの大仏も2001年3月に無残に爆破されてしまった。その惨状に心を痛めた故・平山郁夫・東京藝術大学元学長は、戦乱によりアフガニスタンから流出した文化財の保護と保全に乗り出した。このときに集められた102点の流出文化財がこのほどアフガニスタンに返還されることが決まり、東京藝大COI拠点が、バーミヤンの天井壁画を蘇らせた。
P.08芸術と科学の融合で「感動」をつくる
「文化を育む」「心を育む」「絆を育む」
東京藝大COI拠点では、「クローン文化財」だけでなく、「文化を育む」「心を育む」「絆を育む」を柱に、共感覚メディア研究、ロボット・パフォーミングアーツ研究、障がいと表現研究、文化外交とアートビジネスなど多様な研究テーマに取り組んでいる。
P.12~シリーズ1 低炭素社会の実現へ 第3回~
地球温暖化対策は「緩和」と「適応」の両輪で
地球温暖化対策は、温室効果ガスの排出をいかに削減するかの緩和策が先行してきたが、豪雨や猛暑など気候変動の負の影響に対する適応策と合わせて推進せざるをえない程に切迫している。豪雨に備えた堤防の強化、気温上昇による熱中症の予防、農作物の品種改良などが適応策にあたる。国連気候変動枠組条約第21回締約国会議(COP21)で採択された「パリ協定」にも、各国が気候変動の負の影響に適応する能力を向上させることが明記された。
P.14JSTの最近のニュースから…
NEWS & TOPICS
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P.16戦略的イノベーション創出推進プログラム(S-イノベ)
斬新な「自律運転」に挑戦する、オーケストラ指揮者
東京農工大学大学院 准教授 ポンサトーン・ラクシンチャラーンサク
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芸術と科学の融合で復元されたアフガニスタンのバー ミヤン東大仏天井壁画『天翔る太陽神』。「壁画は多様な文化が共存した証し。平和を希求し、人々の心の よりどころを取り戻すために復元しました」と、東京藝術 大学COI研究リーダー宮廻正明教授は語る。