JST(理事長 橋本 和仁)は、研究倫理教育映像教材「倫理の空白Ⅴ 責任ある研究活動」データ管理編、共同研究編を制作し、JSTのウェブサイトに公開しました。
JSTは、研究資金の配分機関として、公正な研究活動の推進に向け、研究倫理教育の実施支援をしています。その一環で、国内の研究倫理教育で広く活用されているeラーニングやテキストの知識習得型教材と相互に補完できる教材として、ドラマ形式の映像により、具体的な場面を想定して議論をしながら主体的に学習できる教材「倫理の空白」シリーズを制作しています。
1作目は「理工学研究室編」(ねつ造・改ざん関連)、2作目は「盗用編」、そして3・4作目はそれぞれ疑わしい研究行為(QRP)を取り上げた「研究活動のグレーゾーン」「研究活動のグレーゾーン2」を制作しました。
5作目では「データ管理」と「共同研究」に焦点
シリーズ5作目となる今回は、責任ある研究活動に向けて、研究成果の信頼性確保などの観点から重要となる「データ管理」と、分野や組織をまたいで行われる「共同研究」に焦点を当てた映像教材を制作しました。
<データ管理編>では、SNSにて研究室の論文に不正の疑いがあるという投稿がされ、論文のデータが記録された電子ラボノートを用いて検証します。そして投稿した論文に本来の実験結果ではない画像が用いられていたことが発覚するというストーリーの中で、研究データの記録・管理やチェック体制の重要性に気づき、そのあり方を考える内容となっています。
<共同研究編>では、書籍を出版して話題を集めていた教授の研究室が、年齢もキャリアも上の教授の研究室、食品メーカーの三者で共同研究を行います。その中で、研究者間での意思疎通に悩んだり、食品メーカーの製品発表前にも関わらず、研究発表で製品や研究開発成果の情報を公開してしまいそうになったり、それらに向き合い乗り越えていく様が描かれています。また、契約を理解・遵守(じゅんしゅ)することや情報共有の重要性についても登場人物たちが再認識していきます。
幅広い研究者層を対象とした教材 映像と議論を組み合わせて活用を
本教材は、研究者から研究支援に携わる方々まで、幅広い教育対象を想定しています。研究室主宰者(PI)にとっては、自身の研究行為のみならず、マネジメントする側として指導のあり方を振り返る機会となり、学生や若手研究者にとっては、指導者の立場も疑似体験しつつ、データ管理や共同研究における留意点、適切な関係構築の重要性を考えることができます。また、研究支援に携わる方々も、研究活動で生じる課題を確認できます。
そして、研究現場で起こり得る、リアリティーのあるケースを通して、主体的に考え、責任ある研究活動を行うための判断力を養える点も特長で、映像の視聴とディスカッションを組み合わせた研修やワークショップなど、大学・研究機関のさまざまな場面での活用が可能です。
本教材が各研究機関における研究倫理教育の一助となり、研究不正を防止し、責任ある研究活動の推進につながることを期待しています。
研究倫理教育映像教材「倫理の空白Ⅴ 責任ある研究活動」の映像は、以下のウェブサイトからご覧ください。
URL:https://www.jst.go.jp/kousei_p/measuretutorial/mt_movie.html
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