科学技術振興機構報 第1562号

令和4年5月11日

東京都千代田区四番町5番地3
科学技術振興機構(JST)

研究倫理映像教材「倫理の空白 理工学研究室編」の
オンライン公開について

JST(理事長 橋本 和仁)は、研究倫理映像教材「倫理の空白 理工学研究室編」を制作し、JSTのホームページに公開しました。

JSTではこれまで資金配分機関として、プロジェクトの研究代表者に対して、採択時の研究倫理講習を実施し、またプロジェクトに参加する研究者には研究倫理に関するeラーニング教材の受講を求めています。さらには、研究機関の研究公正推進担当者を対象としたワークショップ、研究者を対象とした講習の実施、研究倫理教材の提供などを行い、研究機関において研究倫理教育が着実に行われるよう支援してきました。

これまで国内の研究倫理教育では、eラーニングやテキストによる知識習得型の教材が中心でしたが、倫理的問題に研究者自身が遭遇した場合に、責任ある行動について考えることができるように、具体的な場面を想定して議論をしながら学習できる双方向型の教材が望まれています。

こうした状況を踏まえて、JSTは研究者が日々の研究活動で求められる倫理意識をより高めることを目的に、自ら主体的に学習できるドラマ形式の映像教材を制作しました。

この映像は、国内大学の理工学研究室を舞台に、准教授と博士課程の学生を主人公とした2本のドラマで構成されています。ドラマは、同じ出来事が准教授と学生それぞれの視点から描かれており、同じ状況を指導する立場と指導される立場から視聴することができます。

ドラマならではのリアル感あふれる演出により、視聴者は研究不正に至る過程を疑似体験しながら、研究者としてのあるべき姿を考え、倫理的判断力や態度を養うことができます。

本教材は、理工学研究室を舞台としていますが、生命医科学系や人文・社会科学系など理工学系以外の研究者や学生のほか、企業の研究者にも幅広く活用いただけるよう、どの研究現場でも起こる可能性がある課題を題材に制作しています。ドラマの視聴とディスカッションを組み合わせたワークショップやグループワークで活用することが最も効果的です。大学における講義、研究機関での講習などさまざまなシーンで使用することも可能です。本教材が各研究機関における研究倫理教育の一助となり、研究不正を防止し、責任ある研究活動の推進に資することを期待しています。

研究倫理教材「倫理の空白 理工学研究室編」の映像は、以下のJSTホームページからご覧ください。

URL:https://www.jst.go.jp/kousei_p/measuretutorial/mt_movie.html

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