科学技術振興機構報 第1392号

令和元年9月18日

東京都千代田区四番町5番地3
科学技術振興機構(JST)

人の未来をテーマに、ありたい社会を考える
「サイエンスアゴラ2019」を開催

JST(理事長 濵口 道成)は「サイエンスアゴラ2019」を令和元年11月15日(金)から17日(日)の3日間、日本科学未来館とテレコムセンタービル、シンボルプロムナード公園(ウエストプロムナード)で開催します。

<テーマ:Human in the New Age ―どんな未来を生きていく?―>

今年のテーマは、Human(人)の未来です。科学技術がより進んだ未来に、私たちはどんな暮らしをしたいでしょうか。ありたい未来を創るのに求められる科学技術とは。機械やAIなどの新技術に委ねたくない人間の本質、幸福とは。今年のサイエンスアゴラは、未来に向かって自分が何を選び、どう生きていくのかを、さまざまな視点から考える機会を提供します。社会課題の解決を意識した科学技術を題材に、次世代を支える若い人材との対話などを通じ、未来社会のデザインを考えられるよう企画配置を行います。

<国際的な共創を推進するために日本が生かすべき強みなどを共有>

阿部 玲子 氏
阿部 玲子 氏
マイケル・マトローズ 氏
マイケル・
マトローズ 氏

基調講演では、インドで土木技術者リーダーとして地下鉄整備に挑んだ阿部 玲子 氏(オリエンタルコンサルタンツ インド現地法人 取締役会長)には、「マダム、これが俺たちのメトロだ」と題し、異なるコミュニティーや多様なステークホルダーとの「共創」を推進し成功に導いた要因を紹介いただきます。また、欧州で科学と社会をつなぐ場(ユーロサイエンス・オープン・フォーラム(Euro Science Open Forum:ESOF))を主催するユーロサイエンス総裁のマイケル・マトローズ 氏には、変わりゆく欧州情勢を概観しながら、科学コミュニティーは社会に何を呼びかけ、どのような変化をもたらしてきたか、これからどうしていくのかについて事例を交えて紹介いただきます。

<人文、社会科学、身体拡張の研究者と企業の目線を取り入れ、ありたい未来を考える>

キーノートセッションでは、身体拡張の研究を行う稲見 昌彦 氏や、人工培養肉の研究者として著名なマーク・ポスト 氏、進化や情動の面から「人間らしさとは」を掘り下げてきた哲学者などを迎え、私たち「人」がどのような存在で、どのような未来を志向するのか、科学技術はどのような役割を果たし得るのかを、さまざまな角度から議論します。

<地域における課題解決に、科学技術を活用した好事例が多数出展>

サイエンスアゴラ2019では多様なステークホルダーと対話しながら、「共」に新たな価値を「創」造する「共創」により、社会課題の解決に取り組んだ好事例を幅広く紹介します。今年から始まった「STI for SDGs」アワードは、数あるSDGs表彰制度の中でも、地域と科学技術に焦点を当てた日本初の取り組みで、第一回の表彰式をサイエンスアゴラ開幕セレモニーに先立って開催します。また、JST 低炭素社会戦略センターが進める低炭素社会へのアプローチや、日本の各地域で課題を抱える当事者が大学などとの共創によって問題を解決する取り組みなど、多様なプロジェクトを概観できます。

<次世代とつくるサイエンスアゴラ>

若手研究者や大学生、中高生によるブースやセッションを含め、科学者との対話、シンポジウム、ワークショップや展示など次世代人材を中心に据えたプログラムを実施します。具体的には、グローバルサイエンスキャンパスの全国受講生研究発表会や、ジュニアドクター育成塾の成果発表会、加えて、1993年から若い才能を育成するために開催されている国際学生対抗バーチャルリアリティコンテストの決勝大会を誘致するなど、未来を担う人材が輝く場づくりを重視しています。

<社会と科学の関係を問う企画から、体験型のプログラムまで幅広く>

SDGs(持続可能な開発目標)の達成に資する科学技術の紹介、AI時代の人のあり方を問う展示やセッション、100年先の社会を考えるワークショップなど、「社会のための科学」という概念を打ち出した「ブダペスト宣言」から20年を迎える今年、改めて科学の意義を問いかける企画が数多く揃いました。

未来のモビリティーの乗車体験、年齢や障害を越えてみんなが楽しめるスポーツ体験、各種のワークショップの実施が多数予定されています。また、宇宙の起源に迫る企画や、人口増加に伴う食の問題、ビッグデータと医療の関わり、海洋問題、量子コンピューターの活用、文理選択や意思決定、未来のエネルギーなど、幅広いトピックで、科学と社会の関係を問いかけます。また、女性研究者の活躍を促進するため創設された「輝く女性研究者賞(ジュン アシダ賞)」の表彰式を開催します。

<昨年の基調講演で紹介された「アバター」を体感>

昨年の基調講演では、ANAホールディングスよりテレイグジステンス技術を活用した「ANAアバター」を紹介いただきました。今年はその実機を用いて、遠隔地からアゴラ会場への参加や、会場から遠隔地へ意識の瞬間移動が体験できます。社会課題解決やSDGs達成のために最先端の技術をどのように活用できるのか、その可能性を体感してください。

<サイエンスアゴラ2019のキービジュアルに3DCG女子高生のSayaを起用>

サイエンスアゴラ2019ポスター
サイエンスアゴラ2019ポスター

今年のサイエンスアゴラでは、初めて「不気味の谷を越えた」として話題になった3DCGの「Saya」をキービジュアルに起用しました。今後は、バーチャルなキャラクターがAIを搭載し、機械と友達になるのが当たり前の時代が来るかもしれません。未来を想起させるSayaと一緒に、これからのHuman(人)や社会のあり方を考えてみませんか。

<サイエンスアゴラ2019開催概要>

<添付資料>

<お問い合わせ先>

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