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科学技術振興機構報 第1298号

平成29年12月21日

東京都千代田区四番町5番地3
科学技術振興機構(JST)

ベルモント・フォーラムCRA(国際共同研究)
「持続可能な都市化に向けた国際イニシアチブ:食料-水-エネルギーのネクサス」における新規採択課題の決定について

JST(理事長 濵口 道成)は、ベルモント・フォーラム注1)CRA(国際共同研究)注2)において、「持続可能な都市化に向けた国際イニシアチブ:食料-水-エネルギーのネクサス注3)Sustainable Urbanisation Global Initiative:Food-Water-Energy Nexus)」分野で募集を行い、以下のとおり2課題を支援することを決定しました。

(1) 健全な未来都市への知的デザイン:持続可能なグリーン都市に向けた食料・水・エネルギーネクサスアプローチ(METABOLIC)

食料-水-エネルギーの生産および供給と都市への輸送の仕組みを明らかにし、都市の健康を示す要因を定量化、最適化することを目指す。具体的には、世界の複数個所でのケーススタディーを実施し、AIやビックデータの活用により、未来都市のデザインに資するシナリオベースで解析可能な食料-水-エネルギーモデルを構築する。

(2) 可動型ネクサス:デザイン先導型都市食料・水・エネルギー管理のイノベーション(M-NEX)

都市・地域レベルのマルチステークホルダーと共創するプラットフォーム(可動型ネクサス:M-NEX)の構築を通して、FWE連環に関する諸問題を統合的に解決するデザイン手法を6つのリビングラボにおいて開発し、世界の都市地域に実装することを目指す。それにより、複雑な食料-水-エネルギー問題を視覚的に理解することにつなげるとともに、地域経済の活性化、市民生活の質の持続的向上に貢献する。

<用語解説>

注1) ベルモント・フォーラム(Belmont Forum)

ベルモント・フォーラム(2009年設立)とは、地球の環境変動研究を行う世界の主要先進国・新興国のファンディングエージェンシー(研究助成機関)の集まりです。国際的な資金・研究者を動員し、連携することにより、人類社会の持続可能性を阻む重大な障害を取り除くために必要とする環境関連の研究を加速、深化させることを目的としています。

ホームページURL:http://www.belmontforum.org/

注2) CRA(国際共同研究活動)

ベルモント・フォーラムではさまざまな分野において同時並行的に国際共同研究(Collaborative Research Action:CRA)を設定しています。多国間(3ヵ国以上)の共同提案を募り、合同で選考を行い、採択した課題についてそれぞれの国の分担研究をその国のファンディングエージェンシーが資金支援します。

注3) ネクサス(Nexus)

英語で「つながり」、「連関」などを意味します。

人間社会を持続するために欠かせない3つの要素、食料、水、エネルギー(FWE)は相互に依存し連環していると考えられ、FWEネクサスなどと呼ばれています。例えば、食料生産量を増やすと、水やエネルギーの消費量も増えることになります。

持続可能な社会を実現するために、食料、水、エネルギーを別々に考えるのではなく、相互に依存するシステム(ネクサス)として考慮することが近年求められています。

<添付資料>

別紙:ベルモント・フォーラムCRA(国際共同研究)「持続可能な都市化に向けた国際イニシアチブ:食料-水-エネルギーのネクサス」新規課題 一覧

参考:ベルモント・フォーラムCRA(国際共同研究)「持続可能な都市化に向けた国際イニシアチブ:食料-水-エネルギーのネクサス」新規課題の採択に関して

<お問い合わせ先>

科学技術振興機構 国際部
〒102-0076 東京都千代田区五番町7 K’s五番町
久永 幸博(ヒサナガ ユキヒロ)
Tel:03-5214-7375 Fax:03-5214-7379
E-mail:

科学技術振興機構 広報課
〒102-8666 東京都千代田区四番町5番地3
Tel:03-5214-8404 Fax:03-5214-8432
E-mail:

(英文)JST funds new Belmont Forum projects in the Collaborative Research Action “Sustainable Urbanisation Global Initiative: Food-Water-Energy Nexus”