ＪＳＴ（理事長 濵口 道成）は、平成２８年４月に熊本県熊本地方で発生した地震（以下「平成２８年熊本地震」という）に関連し、国際チームによる緊急研究・調査への研究費提供のプログラムを開始しました。平成２８年熊本地震関連「国際緊急共同研究・調査支援プログラム（Ｊ－ＲＡＰＩＤ）」では、８～１０件程度を採択する予定で、今回、まず１件の研究・調査課題を決定しました（別紙）。引き続き応募課題を受け付け、６月中には全ての審査を終了して採択課題を決定し、研究・調査への資金提供を開始予定です。
平成２８年４月２８日に提案課題の募集を開始し、いち早く支援を開始するため、受理した応募課題は締め切りを待たずに順次選考を行い、採択課題を決定します。今回は最初の採択決定です。研究期間は平成２９年３月までとし、１課題あたり２００～３００万円程度を提供する予定です。
Ｊ－ＲＡＰＩＤは、世界的に稀有な災害で、社会的・経済的影響が大きく、緊急の取り組みが必要な場合に発動する研究費提供のプログラムです。迅速に初動的な研究・調査を支援することにより、本格研究・調査への橋渡しとしての役割が期待されます。海外の研究資金配分機関や研究機関と協力体制をとり、日本側と相手国側の研究者による国際共同研究・調査を対象とするプログラムであり、ＪＳＴは日本側の研究者に研究資金を提供します。
対象は以下に示すような緊急性がある研究・調査です。
- 時間の経過とともに消失する恐れがあり、将来取得することが難しくなるなど、データ取得に関する緊急性（例えば、津波被害の痕跡調査、汚染発生直後の初期分布の計測）
- 問題解決の緊急性（例えば、地震による被災構造物の脆弱性評価、緊急補強法の検討のように対策に緊急を要する場合）
Ｊ－ＲＡＰＩＤはこれまで、平成２３年に発生した東日本大震災とタイ大洪水、平成２５年に発生したフィリピン台風３０号（Ｙｏｌａｎｄａ）、平成２７年に発生したネパール地震に対して発動しています。
ＪＳＴは今後も必要に応じ迅速にＪ－ＲＡＰＩＤを発動し、科学技術的に貴重な情報の確保、災害からの速やかな復旧、将来の防災力の向上などに資する研究・調査活動を支援します。
＜募集期間＞
平成２８年４月２８日（木）～６月１０日（金）１７：００
（採択予定件数に達する場合には締切りを早めます。）
提案課題募集の詳細については、下記ホームページを参照してください。
ＵＲＬ： https://www.jst.go.jp/sicp/announce_rapid_5th.html
