国際農研,農研機構,名古屋大学,横浜市立大学,理化学研究所,明治大学,かずさDNA研究所,科学技術振興機構(JST),国際協力機構

令和5年3月31日

国際農研
農研機構
名古屋大学
横浜市立大学
理化学研究所
明治大学
かずさDNA研究所
科学技術振興機構(JST)
国際協力機構

高CO環境でイネを増収させる「コシヒカリ」由来の
遺伝子を発見

~気候変動下での持続可能な稲作に貢献~

ポイント

国際農研、農研機構、名古屋大学、横浜市立大学、理化学研究所、明治大学、かずさDNA研究所の共同研究グループは、稲穂の基となる腋芽の生長を促し、穂数の増加に働く遺伝子MP3を「コシヒカリ」から同定しました。MP3の遺伝子配列(遺伝子型)はイネの品種ごとに異なり、「コシヒカリ」に代表される日本イネの一部は、インディカイネと呼ばれる海外の品種には見られない、穂数を増やす遺伝子型であることが分かりました。日本の多収品種「タカナリ」は、インディカ型のMP3を持つことから、「コシヒカリ」型のMP3と入れ替えたイネを開発したところ、穂数が20~30パーセント増加しました。さらに、将来予想される高CO条件を再現した水田試験において、開発したイネは「タカナリ」に比べて6パーセント増収することを明らかにしました。世界的な気候変動が進行する中で、持続可能な作物生産を実現するための技術開発が喫緊の課題となっています。MP3はその技術の1つとして、将来の高CO環境でのイネの安定生産に貢献することが期待されます。

本研究の成果は、国際科学専門誌「The Plant Journal」オンライン版(日本時間2023年3月28日)に掲載されました。

本研究は、農林水産省 委託プロジェクト「次世代ゲノム基盤プロジェクト」、同「気候変動に対応した循環型食料生産等の確立のためのプロジェクト」、科学技術振興機構(JST)と国際協力機構(JICA)の連携事業である地球規模課題対応国際科学技術協力プログラム(SATREPS)「肥沃度センシング技術と養分欠乏耐性系統の開発を統合したアフリカ稲作における養分利用効率の飛躍的向上」(JPMJSA1608)、JST 戦略的創造研究推進事業 チーム型研究(CREST)「ROOTomicsを利用した環境レジリエント作物の創出」(JPMJCR17O1)、科研費(20H02972、16H06464、16H06466、21H04728)の支援を受けて行われました。

<プレスリリース資料>

<論文タイトル>

“MORE PANICLES 3, a natural allele of OsTB1/FC1, impacts rice yield in paddy fields at elevated CO2 levels”
DOI:10.1111/tpj.16143

<お問い合わせ先>

(英文)“Discovery of Koshihikari-Derived Gene that Increases Rice Yield in High CO2 Environment”

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