ポイント
- 約1,000fpsの高速で、可視の24bitカラー(RGB)画像と不可視の8bit赤外(IR)画像を個別に制御しながら、同時に投影可能なプロジェクターを開発
- 独自開発の光学系によりRGB画像とIR画像の正確な同軸位置合わせを達成
- 人間には見えない波長域での空間センシングを用い、目に見える映像を素早く制御するプロジェクションマッピングの新たな基盤技術となることが期待される
東京工業大学 工学院 情報通信系の渡辺 義浩 准教授、東京エレクトロンデバイス株式会社の湯浅 剛、Fraunhofer Institute for Applied Optics and Precision Engineering(フラウンホーファー応用光学・精密機械工学研究所)のUwe Lippmann(ウーヴェ リップマン)、ViALUX GmbH(ヴィアラックス)のPetra Aswendt(ペトロ アシュエンド)らの日本・ドイツ国際産学連携チームは、目に見えるカラー画像と、人間の目には見えない赤外線を用いた画像を、個別かつ同時に制御しながら超高速で投影できる、プロジェクションマッピング用の高速プロジェクターを開発した。
このプロジェクターでは、約1,000fpsという非常に高いフレームレートで、RGB方式による24bitの可視カラー画像と、IR(赤外線)による8bitの不可視画像を個別かつ同時に制御できる。さらに、独自に開発した光学系システムにより、プロジェクターから投影されたRGB画像とIR画像の正確な同軸位置合わせが達成されている。そのため、目に見えないIR画像を投影してセンシングを行いながら、そのセンシング結果を利用して、目に見えるRGB画像によるディスプレイ映像をリアルタイムで制御していくことができ、動くものを対象としたダイナミックプロジェクションマッピングでの利用も可能。エンターテインメント、アート、広告などのビジネス分野、さらに作業支援や医療支援など、社会でのプロジェクションマッピングの応用範囲の拡大にもつながる技術として期待される。
この成果は、第28回ディスプレイ国際ワークショップ(28th International Display Workshops)で2021年12月2日に発表される。
本研究成果は、日本のJST SICORP JPMJSC1808とドイツのBMBF 01DR18009A and 9Bの支援のもとで行われた。
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