【目標2】2050年の社会像(イラストレーション)
2050年はこんな社会になっているかも?
ムーンショット目標2が実現した2050年がどんな社会になっているのかを描いたイラストレーションです

臓器間・組織間のネットワークを読み解き病気を予測、予防
がん、認知症、神経変性、糖尿病など一旦発症すると治しにくい病気も、未病の状態や早期で発見できれば予防、治療がしやすい。遺伝子検査でこれらの病気になるリスクを調べられるようにもなってきたが、実は多くの患者は遺伝的な要素とは関係なく発症している。
最近の研究では、これらの病気の兆候が、発症する数十年前から現れる場合があるとわかってきた。全身の臓器は複雑なネットワークを構成しているので、その兆候は実際に病気になる臓器とは別の臓器に見られることも多い。そこで、データ解析や数理モデリングで臓器間・組織間のネットワークと病気の関係を可視化する技術が全身ネットワークシミュレーターだ。2050年には、日々の体の状態をモニタリングして全身ネットワークシミュレーターで診断する、天気予報ならぬ「病気予報」で病気を発症前に予測、予防することが常識になるだろう。


データを取り続けて精度を高める
生まれ持ったゲノムの情報、子供時代の成長や発達の様子も含めて、健康な時(未病の状態)から体の様子を「定点観測」しておくことが重要だ。多くのデータが全身ネットワークシミュレーターに集まれば、ゲノム情報と各種データの傾向から病気を予測する精度が高まるだけでなく、病気を発症しないための薬や予防法の開発にも役立つ。2050年には、全身ネットワークシミュレーターとの日々の情報のやりとりを通じて、人々は健康寿命を伸ばし、人生100年時代を健やかに過ごすことができるようになる。
日常で使う様々なものがセンサーに
血圧、体温、血液だけでなく、睡眠の質や腸内細菌の種類が病気と関係していることがわかってきた。2050年の社会では、身に付けるものや家具、トイレにもセンサーが搭載されて、体に関するデータを日々収集して全身ネットワークシミュレーターに送るようになる。また、シミュレーターと連携する家電が、体の状態に合わせて適切な運動や食生活をアドバイスしてくれたり、ストレスが溜まったり睡眠の質が悪くなった時には、照明やBGMを自動で調節して体調を整えてくれるかもしれない。
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国立研究開発法人科学技術振興機構 ムーンショット型研究開発事業部 目標2 担当
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