プロジェクト紹介

田中 秀樹PM 写真

目標10 研究開発プロジェクト(2025年度採択)核融合燃料サイクルの実現に向けた革新的同位体分離システムの開発

プロジェクトマネージャー(PM)田中 秀樹信州大学 アクア・リジェネレーション機構 教授

概要

2050年までにフュージョンエネルギーを広く活用した革新的な社会実装を実現するためには、同位体分離技術の確立が不可欠です。本研究開発プロジェクトでは、第一に、炉心からブランケット一次冷却水中へ浸透したトリチウムにより生成されるHTO分子を大流量条件下で高効率に除去する技術開発、第二に、水からの重水分離および⁶Li/⁷Li混合物からの⁶Li(トリチウム原料)の分離技術を確立し、フュージョン燃料(重水素ならびにトリチウム)の国産化と安定供給を可能とすることに取り組みます。その基盤となるのが、同位体分子・イオン間に生じる微小な量子効果を鋭敏に認識する吸着剤やイオン交換体の開発 ─吸着科学・同位体科学のフロンティア開拓─ であり、これによって革新的な同位体分離システムを2034年までに開発することを目指します。さらに、本プロジェクトは、トカマク炉(主路線)の加速、主路線以外の可能性追求はもとより、重水素の高付加価値材料への応用、Liイオン電池における資源循環型社会の実現等へ貢献する事が期待されます。

概要イメージ

(出典:AIによる生成)

2034年までのマイルストーン

マテリアルインフォマティクスを基盤とし、水同位体分離において最高性能を発揮する分離材料を創出します。具体的には、計算機スクリーニングにおける探索空間を体系的に拡張するとともに、特徴量空間のサンプリングにおける均質性および代表性を統計的に担保することで、候補となる分離材料群を確実に同定し、それらの合成・開発を行います。
さらに、①トリチウム水分離,②重水分離、③⁶Li分離の各システムについて、ベンチスケールの開発を行い、分離性能、安定性および運転条件等を評価することで、各システムの革新性を実証します。これらの成果を基に、システムのスケールアップおよび社会実装に向けた技術的指針を確立し、将来の実機化へと接続します。

2029年までのマイルストーン

  • ①トリチウム水分離,②重水分離,③⁶Li分離の三つの同位体分離システムの開発に取り組みます。まず、マテリアルインフォマティクスによって,水同位体分離において最高性能を発揮する分離材料を既知・未知材料空間から予測します。
  • 既知材料空間の計算機スクリーニングによって見出された候補材料を合成します。そして、分離材料を活用した水蒸留法に基づくトリチウム水分離システムの革新性をラボ装置により実証し、ベンチプラント設計に必要な基礎データを取得します。
  • 重水分離システムおよび⁶Li分離システムについてもラボスケールでの開発・実証を行い、フュージョンエネルギー実現に向けた革新的同位体分離システムのベンチプラント設計指針を確立します。

課題推進者

研究開発項目[1-1] 田中 秀樹 信州大学 アクア・リジェネレーション機構 教授
研究開発項目[1-2] 手嶋 勝弥 信州大学 アクア・リジェネレーション機構 教授
研究開発項目[2-1] 片山 一成 九州大学 大学院総合理工学研究院 教授
研究開発項目[2-2] 立花 優 九州大学 アイソトープ統合安全管理センター 准教授
研究開発項目[3-1] 平出 翔太郎 京都大学 大学院工学研究科 助教
研究開発項目[4-1] 瓜田 幸幾 長崎大学 大学院総合生産科学研究科 准教授

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