プロジェクト紹介
目標10 研究開発プロジェクト(2025年度採択)核融合研究のパラダイムを刷新する数理モデルの定式化と解決法のイノベーション
プロジェクトマネージャー(PM)小澤 徹早稲田大学 理工学術院 先進理工学部 教授
概要
フュージョンエネルギーの早期実現が望まれるなか、未来の核融合装置の性能・特性を正確に見通せる理論は確立していません。安易な予想や経験知からの外挿を阻む不確実性は、超高温プラズマとそれを生成・維持するシステムの非線型性に起因します。非線型現象の理解は、気象や生態系あるいは経済など、複雑系(非可積分系)に通底する大きなチャレンジであり、これからの数理科学の巨大なテーマです。
本プロジェクトでは、実験物理学として発展してきたプラズマ物理学(あるいは核融合炉材料の物質科学)と数理科学が協働することにより、具体的な課題、豊富な実験データ・数値シミュレーションを基盤として、数理科学の新たな概念および方法論を生みだすことに挑戦します。
これまでも、プラズマ物理学の分野から、ソリトン、カオス、特異摂動、階層性等に係わる多くの数理的な研究成果が生まれています。本プロジェクトでは、近年発展が著しいAIやデータサイエンスとの連携も視野に、フュージョン分野の中核的な課題を数理的に定式化することから始め、概念の再定義、方法論の破壊的イノベーションによってフュージョンエネルギーの早期実現とともに性能や安全性の向上に貢献します。また、ムーンショット目標10(MS10)に参加するさまざまな分野の若手研究者が、数理を共通言語としてそれぞれの分野の未来を論じ合う学際的なネットワーキングを積極的に実施し、次世代を担う人材の育成に貢献します。

(出典:AIによる生成)

図1. 研究開発プロジェクトの概念図
2034年までのマイルストーン
核融合炉開発に関する数理的理論体系の実装化を図り、フュージョンエネルギーの実用化に寄与する実装展開の仕組を構築します。
2029年までのマイルストーン
数学的に定式化された核融合炉開発に関する重要問題を解決し、体系化した理論を構築するとともに、フュージョンエネルギー技術に関するモデリング、数値シミュレーション、制御システムとの関連性を明示し、革新的な核融合システムの開発の基盤を完成します。
課題推進者
| 研究開発項目[1-1] | 小澤 徹 | 早稲田大学 理工学術院 先進理工学部 教授 |
|---|---|---|
| 研究開発項目[1-2] | 小薗 英雄 | 早稲田大学 理工学術院 基幹理工学部 教授 |
| 研究開発項目[1-3] | 熊谷 隆 | 早稲田大学 理工学術院 基幹理工学部 教授 |
| 研究開発項目[1-4] | 服部 裕司 | 東北大学 流体科学研究所 教授 |
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- プロジェクト概要(275 KB)