低炭素社会の実現に向けた技術および経済・社会の定量的シナリオに基づくイノベーション政策立案のための提案書

LCS-FY2021-PP-10

二酸化炭素のDirect Air Capture(DAC)法のコストと評価(Vol.4)
- Moisture Swing Adsorption 法-

  • SDGs7
  • SDGs9
  • SDGs13

概要

 Direct Air Capture (DAC)法における、イオン交換樹脂膜を用いた Moisture Swing Adsorption(MSA)プロセスによる DAC プロセスを検討した。

 MSA はイオン交換樹脂を用いて、通常の乾燥状態で CO2を吸着し、湿潤状態で CO2を脱着する方法である。脱着のために加温する必要がなくDACコストを低減できる可能性がある。アメリカと中国を中心として開発されているが、実証設備はまだない。
 想定した吸着設備は、イオン交換樹脂を含む膜をアルキメデスの螺旋状に巻いた1mφ×2mLのSpiral-wound型の膜モジュールである。スペーサの大きさを5mmとすると膜の長さは119mで、吸着能が21.8g-CO2/m2-膜のときDACコストは39円/kg-CO2となり、KOH-CaCO3系のアルカリ吸収法と同程度なCO2捕集コストとなる。今後安価で高性能なイオン交換樹脂膜の開発、脱着に必要な水分が噴霧水で可能なことの確認など国のプロジェクトとしての開発・実証が必要である。

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