低炭素社会の実現に向けた技術および経済・社会の定量的シナリオに基づくイノベーション政策立案のための提案書

LCS-FY2021-PP-02

二酸化炭素のDirect Air Capture(DAC)法のコストと評価(Vol.3)
-吸着剤の性能評価-

  • SDGs7
  • SDGs9
  • SDGs13

概要

 DACに用いるsorbent の性能評価を目的として、メソポーラスシリカ表面上のアミン分子に吸着したCO2の構造と吸着熱をONIOM法により評価した。ONIOM法のHigher layerにはAPFD/6-311+G(2d,p)を、Lower Layer にはB3LYP/6-31G(d)もしくはAPFD/STO-3Gを用いた。

 最適化構造の基準振動数と自由エネルギーからCO2の吸着平衡定数と被覆率を評価した。アミン分子とシリカ表面の相互作用が小さい場合、室温付近の平衡定数は小さく、大気中の低濃度(400ppm)のCO2を捕集することはできない。シリカ表面上のアミン面密度が大きく、隣接するアミン分子同士と表面のOH基が相互作用する場合にDACに適用可能な吸着構造が見出された。吸着熱が71kJ/molの構造ではアミン効率0.2程度で、また吸着熱が86 kJ/mol の構造ではアミン効率0.5程度で400ppmのCO2を捕集できる。吸着熱をより小さくしてCO2脱離回収に要するエネルギーを低減するためには、単純なLangmuir機構ではない新しい機構に基づく吸着剤の開発研究が必要である。

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