低炭素社会の実現に向けた技術および経済・社会の定量的シナリオに基づくイノベーション政策立案のための提案書

LCS-FY2019-PP-13

藻類からの燃料油製造
—CO2排出量と経済性評価—

  • SDGs7
  • SDGs9
  • SDGs13

概要

 光合成により藻類バイオマス生成作用を利用した燃料油製造が、液体燃料のカーボンフリー化への動きに合わせて注目されている。最近では、電動化が困難とされる航空機用燃料として実用化への試行もみられる。

 LCSでは、2012年以来、この技術分野に着目して、菌体の生産性や菌体組成などのデータを基にプロセス評価を行ってきた(①筑波大グループ、②ニュージーランドNIWA)が、コスト面での現実的な優位性を見いだすことが出来なかった。最近、製品燃料コストが市場価格に対抗できる範囲のデータが公表された(③米国DOE)ので、このプロセス評価を行い、さらに、これら①~③の藻類バイオマスからの燃料製造プロセスについて、CO2排出負荷の観点を加えて比較検討を行った。
 その結果、藻類バイオマスからの燃料油製造プロセスでは、化石資源起源のCO2を利用する前提では、低CO2負荷燃料は実現しないことが明らかになった。今後、カーボンフリー液体燃料の実現については、他の非化石資源からのルート、あるいは、化石資源とDACプロセスの組み合わせルートなど、さらなる多面的な検討が必要であることが明らかになった。

提案書全文

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