低炭素社会の実現に向けた技術および経済・社会の定量的シナリオに基づくイノベーション政策立案のための提案書

LCS-FY2017-PP-13

シンセティック材料設計
—1D CAEとデータ活用型材料研究の融合—

概要

 材料科学・材料工学分野の主要課題である「マクロな現象論とミクロな物理的原理との間の関係性」を、計算機上で予測する方式について考察した。

 対象系の原子配置と電子数のみから必要な物性を計算する第一原理計算で扱える原子数を拡大する方式は、計算量や計算機能力の制約から、マクロスケールの物性を積み上げて議論するにはかなりの時間がかかる。モデルを組合せて予測するマルチスケールシミュレーションの方式については、ミクロからマクロにわたる時空間スケールの接続が現実のものになりつつあるが、適切なモデルの組合せ方や現象を支配する因子の選び方は必ずしも明確ではない。それらの見極めには、1D CAEとして知られる、システム全体を簡便なモデルで俯瞰する方式が有効である。この方式は、これまでに報告してきた「データ活用型材料研究」のコンセプトとも融和して、材料設計の新たな時代を拓く手法となる。

提案書全文

関連提案書