

○戦略目標「多様で大規模な情報から『知識』を生産・活用するための基盤技術の創出」の下の研究領域
「知の創生と情報社会」
研究総括:中島 秀之(公立はこだて未来大学 学長)研究領域の概要
本研究領域は、多様もしくは大規模なデータから、有用な情報である「知識」を生産し、社会で活用するための基盤的技術となる研究を対象とします。
具体的には、大規模データを処理するための革新的な技術、統計数理科学を応用した分析・モデル化技術、あるいは実社会から得られる多様なデータを構造化・分析して知識を抽出する技術、センサによる情報取得やシミュレーション結果等の複数のリソースから新たな知識を創出する技術などの基盤技術に加えて、獲得した知識を実社会に適用するために必要とされる、シミュレーション、データの可視化、新しい情報社会の仕組みを支える応用技術などに関する研究が含まれます。
研究総括の募集・選考・研究領域運営にあたっての方針
現在の社会の様々な仕組みは基本的にはコンピュータやインターネットの登場以前に固まったものです。情報技術の登場はこれらを根本的に変革する可能性を持っています。特に大規模データの適切な処理は人間の能力を超えるものであり、社会の仕組みをより良くする可能性が大きな分野といえます。大規模データを獲得したり処理したりする新しい仕組みを考えることにより、従来ではなしえなかったような新しい仕組みを実現し、それによって社会を効率化したり現状の問題点を解決したり、あるいは人間の知的作業の質や量を向上させたりすることが可能となります。
本領域では、そのような実社会への応用を見据えた新しい基盤技術の研究開発提案を募集します。また、すでに得られている大規模情報を対象とするだけでなく、情報を現実世界から取り込むための手法の提案なども期待します。
研究タイプとしては、昨年度同様に3年と5年の提案を別枠で募集します。原則として、3年プロジェクトは「知の創生」の基盤技術を開発するもの、5年プロジェクトは実社会での適用や実運用のためのアプリケーションの開発など、「情報社会」での応用を目指すものという仕分けを考えています。ただし、非常にチャレンジングかつ応用範囲の広い基盤技術の研究開発などであれば、5年プロジェクトとして提案することも可能です。
さらに今回から、「大挑戦型」の募集も行います。研究構想の実現の手掛かりが少なく可能性は高くないかもしれないが、成功した暁には実社会を変革するような画期的な成果が期待できるような、通常以上の挑戦的な提案であれば、3年または5年のプロジェクトのいずれの枠でも「大挑戦型」を併用した応募を期待します。
「さきがけ」の先進性を理解した、できる限りチャレンジングでありながら、今後の研究方向を創り出す核となれるようなテーマを期待します。そのためにも現在の社会ニーズにとらわれず、それらを超える新しいニーズを創出するつもりの技術シーズを示した研究課題が提案されることを望みます。