戦略的創造研究推進事業

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募集要項

III.「研究領域の概要」、および「研究総括の募集・選考・研究領域運営にあたっての方針」

【さきがけ】
○戦略目標「生命システムの動作原理の解明と活用のための基盤技術の創出」の下の研究領域

「生命現象の革新モデルと展開」

研究総括:重定 南奈子(同志社大学文化情報学部 教授)

研究領域の概要

 多様な生命現象に潜むメカニズムの解明に資する斬新なモデルの構築を目指す研究であって、治療、防疫、環境保全などに貢献できる予測力や発展性に富む研究を対象とします。
 具体的には、環境へ適応しつつ合目的的に機能していると見られる生命システムの、遺伝子発現、細胞の機能と動き、発生・形態形成、免疫、脳の高次機能、生物社会の形成、生態系などの制御機構や、老化や疾病などのメカニズムに対して統合的かつ数理科学的な理解を可能にするモデルの構築を通じて、課題解決への手がかりを与える革新的で基盤的な研究を対象とします。

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研究総括の募集・選考・研究領域運営にあたっての方針

 四半世紀にわたる分子生物学の急速な進展、ことに近年の計測・分析技術の発達によって多くの情報が蓄積し、さまざまな生命現象についてその基本が明らかになってきました。ここにおいて、生命現象の本質的側面をモデルとしてとらえ、数理解析やコンピュータシミュレーションを通じて理論的に解明する研究が、実証的研究と相まって生命科学に飛躍的発展をもたらす機運が高まっています。
 これまでも生命の基本原理の解明をめざす理論研究の試みはありましたが、ブレイクスルーをもたらした成功例は限定的でした。その理由は生命現象の基本的メカニズムの知識が充分ではなかったことにあります。この状況は分子生物学の進展の結果大きく変化しました。いまや、生物の基本原理の解明を革新的モデルの構築により飛躍的に進められる時期がきたといえます。
 このような認識に立ち、本領域は生命現象のメカニズムの本質を把握し、そのはたらきの基本原理に迫るような革新的な数理モデルの構築をおこなう研究を対象とします。具体的には、遺伝子やタンパク質、細胞、組織、器官、個体、群集など、さまざまなスケールのもの、また発生、形態形成、脳神経、行動、社会、生態、進化などの多様な現象を含みます。対象とする生命現象がまったく異なっていても、モデリングの間には大きな共通性がしばしばみられます。異なる対象を扱う研究者が相互に刺激を受けることが、新しいそして画期的なアプローチを発見するうえで極めて有効と考えます。
 個々の現象についてのモデリングは、データの解析や実験による検証を視野にいれ、充分な実証性をもつことが必要です。個別の現象解明を通じて、生命現象の全体的な理解に至る視野をもつ提案を期待します。また、医学や環境保全に寄与できるテーマも重視します。
 この分野の発展には人材育成がきわめて重要です。生命科学や医学、農学だけでなく、数学、物理学、工学をはじめとしてさまざまな背景をもつ経歴の研究者が参加され、新しい対象や斬新で独創的な方法論をもとにした研究課題が提案されることを期待します。

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