

○戦略目標「新原理・新機能・新構造デバイス実現のための材料開拓とナノプロセス開発」の下の研究領域
「次世代エレクトロニクスデバイスの創出に資する革新材料・プロセス研究」
研究総括:渡辺 久恒(株式会社半導体先端テクノロジーズ 代表取締役社長)研究領域の概要
この研究領域は、半導体ロードマップ戦略に基づく技術進化の飽和を超越することを目的として、微細化パラダイムのみでは実現できない機能・性能を持つ、革新的且つ実用化可能なエレクトロニクスデバイスを創製するための材料・構造の開発及びプロセス開発を行う研究を対象とします。
具体的には、新しい原理により消費電力の増大、製造コストの巨額化といった実用上の問題を解決するための高集積情報処理デバイス、有機物を含め異種材料や技術の融合により新機能・高性能を発揮するデバイス、及びそれらを可能にするプロセス研究、また従来にない斬新なアプリケーションを切り拓く研究等が含まれます。
本研究領域では、材料・プロセスの特性・機構解明に留まらず、実用技術に発展することが十分見込まれる研究を推進します。
研究総括の募集・選考・研究領域運営にあたっての方針
シリコン集積回路の性能向上には、素子の微細化や動作周波数の向上を中心に進められてきましたが、近年これらの限界が顕在化しつつあります。このためロジック回路の並列化や3次元実装などによる解決策の開発が盛んになっております。一方で環境対策の一層の強化が望まれる中、さらなる微細化や新デバイスの導入による超低消費電力化や、新しいデバイスアーキテクチャの採用による高次の付加価値の付与などが期待されております。
当領域では、限界に直面している課題を材料・プロセス科学の基礎に戻って徹底的に理解し新たなコンセプトを創出しようとする提案(Discovery Science)、あるいは画期的な材料・プロセス、デバイスの採用で従来技術の置き換えを追求する提案(Disruptive Technology)、さらに、異分野材料の物性や原理の異なるデバイスを半導体デバイスと融合させて上記課題を克服しようとする提案(Fusion Device)を募集します。
募集対象としては、半導体分野における新材料の開拓、新プロセス開発、デバイス創成技術とします。なお、これまでに採択された課題と同じ材料、プロセスを扱う提案でも、新規なアプローチや独創的なアイデアに基づく意欲的な提案は募集の対象として歓迎します。これらの研究の遂行に関しては、産学連携を通して積極的に実用化に挑戦しようとする姿勢を重視いたします。
研究提案においては5年間のマイルストーンを提示して頂きます。中間評価に代表される、研究進行中の評価を重視し、3年目程度で実用化に向けた道筋を明確化したいと考えております。その結果を受けて研究項目と対応予算の見直しも行いたいと考えております。