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募集要項

III.「研究領域の概要」、および「研究総括の募集・選考・研究領域運営にあたっての方針」

【CREST】
○戦略目標「高信頼・高安全を保証する大規模集積システムの基盤技術の構築」の下の研究領域

「ディペンダブルVLSIシステムの基盤技術」

研究総括:浅井 彰二郎(株式会社リガク 取締役副社長)

研究領域の概要

 本研究領域は、VLSIシステムの高信頼・高安全性を保証するための基盤技術の研究開発を対象とします。人類の諸活動が情報システムに依存する度合いは増す一方であり、その信頼性・安全性の確保はきわめて重要な社会的課題です。そのエンジンであるVLSIも、それ自身が膨大な数の回路素子を含む巨大システムであり、その信頼性・安全性は情報システムの信頼性・安全性のコアとなるものです。VLSIシステムを、信頼性・安全性に配慮しつつさらに大規模化するため、横たわる多くの課題を解決することが本研究領域の目的です。
 具体的には次のような研究課題が含まれます。まず素子寸法の極限的な微細化にともなう物理的な揺らぎ、一過性雑音事象、使用にともなう劣化などが問題です。こうした不安定要因は、直接誤動作の原因となるのみならず、VLSIの大規模化にとっての阻害要因であり、その影響を緩和する素子レベル、回路レベル、システムレベルの新技術の研究開発が必要です。一方、微細化による大規模化が限界に近づいているため、多数のチップを3次元的に実装することによる大規模化と、それにともなう信頼性・安心性の確保も大きな課題であり、研究開発が必要です。規模の拡大と複雑化にともなう設計上のミスを排除し、設計・検証・製造・検査を容易化する設計の方法も研究開発課題です。信頼性・安全性へのVLSIシステム内外からの脅威を動作中に検出し、封じ込め、緩和するアーキテクチャー、回路の研究開発も必要となります。VLSIシステムへの要求事項は、用いられる情報システムの特性から決まりますが、新しく信頼性・安全性の仕様規定、評価尺度を作り上げて行くことも本研究領域の研究開発課題です。

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研究総括の募集・選考・研究領域運営にあたっての方針

(1)研究開発の範囲
1)本研究領域の範囲は、上記「研究領域の概要」に記述のとおりです。
2)VLSIのディペンダビリティの指標やその定量評価の研究を行うことは、各研究チームの課題に含めてご検討下さい。また、「ディペンダビリティ評価」に特化した研究も歓迎します。
3)具体的な大規模システムを例にとりあげて、その中に実装されるVLSIシステムに対し、信頼性・安全性につき、外側から仕様を規定し、尺度を決めて評価する試みも歓迎します。

(2)募集・選考にあたっての方針
1)研究領域の対象、目的に沿った挑戦的な、世界的な水準の研究提案であることを求めています。
2)VLSIシステムのフィールド使用、検査、設計の場面における、具体的かつ本流といえる重要なディペンダビリティ問題を捉え、その問題を掘り下げた上で、本命と目される具体的な問題解決策と具体的な達成目標を明確に記載しているかを特に重視します。
3)研究のスコープについては、特に、現行課題では手薄になっているOSとの接点、耐タンパ性などを捉えた提案を歓迎します。
4)達成目標が、現在の技術からの水準差、達成時期における有用性、波及効果、ならびに達成の難易度からみて妥当と考えられるかどうかを重視します。
5)類似の問題解決における提案者(チーム)のこれまでの研究実績や期待される能力の伸長を考慮して選考します。論文だけでなく、特許出願、技術移転、マネジメントなどにおける実績も考慮します。

(3)運営にあたっての方針
1)全研究チームはひとつの大きな研究領域のバーチャルラボラトリーの構成員であると考え、チーム間の相互刺激作用を促進しながら研究を進めます。領域メンバーが一堂に会す領域会議を年に数回開催している他、チーム間の連携にも積極的に取り組んで行きます。
2)研究チームの研究状況は研究総括にはいつでも開示していただくようお願いします。
3)研究総括のとりまとめにより原則として年1度研究進捗報告会を実施し、次年度以降の進め方についての意見を研究チームにフィードバックするとともに、次年度の研究予算の査定に反映します。レビューの結果、研究の計画変更を行うことがあり、極端な場合は研究課題の中止もあり得ます。
4)このような総合的な運営を可能にするために、必要と判断されれば研究センターを設置することもあり得ます。

(4)研究提案書作成に当たってのご注意
1)「研究構想」(様式3)の「4.研究実施の基盤および準備状況」および「5.国内外の類似研究との比較、および研究の独創性・新規性」の項において、関連するこれまでの研究の状況を提案者ご自身、ならびに世界の競合相手につき記し、比較してください。また、企業の開発動向も踏まえ、世界の中での提案内容の位置づけも明記してください。
2)ご自身のこれまでの研究の成果はもちろん、他の研究者、機関の資産、能力も可能な限り活用することを考えてご提案ください。
3)研究チーム内の共同研究グループ別、個人別の役割と責任を明確にしてください。
4)「研究構想」(様式3)の「3.研究計画とその進め方」の項には、適切なマイルストーンを設定して対応する成果の内容を、できるだけ明確に示してください。特に、中間段階(概ね3年度目終了時点)での、達成目標を明確に示してください。
5)研究をうまく進めるための条件、成功を阻害するリスク要因についても、「研究構想」(様式3)の「3.研究計画とその進め方」の中で記述してください。
6)研究の成果を受けとって実用化する出口企業を想定し、できるだけ強い、初期からの協働体制で提案に臨んでください。

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