新矢 恭子 (しんや きょうこ)
神戸大学 医学部附属医学医療国際交流センター 准教授
毎年冬になると人社会で流行するインフルエンザウイルスは、長年にわたり鴨などの水禽類の体内で寄生生活を行ってきたウイルスを起源とします。インフルエンザウイルスの8本の遺伝子は、水禽類の体内では、あまり遺伝子変異が起こらず、比較的安定に保たれていますが、人で流行している人のインフルエンザウイルスの遺伝子配列には、多くの変異が観察される傾向があります。
人のインフルエンザウイルスは、なぜ、遺伝子変異を起こしやすいのか、その謎を探ります。