水の循環系モデリングと利用システム

 

第2回領域シンポジウム
ポスターセッション

  

小池俊雄研究チーム


P064 地上マイクロ波センサによる特別観測データを用いた大気
-陸面結合データ同化スキームの開発
P065 物理的ダウンスケーリングのための大気
-陸面結合データ同化システムの開発
P066 雲微物理モデルと放射伝達モデルを組み合わせた
大気データ同化システムの開発


 
P064 地上マイクロ波センサによる特別観測データを用いた大気
窶迫、面結合データ同化スキームの開発
小池 俊雄、筒井 浩行、Tobias Graf、Lu Hei、森田 正人
東京大学大学院工学系研究科

 西東京市の東大農場に設置した可般型の低周波帯マイクロ波放射計を用いて土壌面観測を実施する傍ら,高周波帯マイクロ波放射計を北海道大学低温科学研究所圃場に設置して積雪観測を実施した.土壌中のマイクロ波放射伝達観測では,人的操作可能な土壌水分,土壌粒径,表面粗度を対象に,放射計のフットプリントをカバーする砂場を標準観測面とした上で,土壌面,植生面との比較観測を実施し,散乱を考慮した放射伝達モデルの開発・検証のための基礎資料を収集した.積雪中のマイクロ波放射伝達観測では,乾雪,湿雪それぞれの状態において,表面を乱していない均一な雪面を標準観測面とした上で,マイクロ波放射輝度温度を測定した.同時に放射伝達に影響を与えると考えられる,粒計,密度,含水率,断面状況などのパラメータの観測データを収集し,Dense Media放射伝達理論によるアルゴリズム開発・検証のための基礎資料を収集した.
 これらの観測データを用いて,土壌中および積雪中でのマイクロ波放射伝達に関する基礎データを取得し,データ同化に用いる放射伝達モデルの改良を行なった.

 
P065 物理的ダウンスケーリングのための大気
窶迫、面結合データ同化システムの開発
小池 俊雄、陽 坤、Boussetta Souhail
東京大学大学院工学系研究科

 大循環モデルから領域モデルへ,さらにメソスケールモデルへのダウンスケーリングを目的として,土壌水分の空間不均一性を考慮した初期条件の設定を行うために,まず,陸面スキームとマイクロ波放射伝達モデルを組み合わせた陸面同化システムによって土壌水分の初期条件を算定し,これと大気モデルとを組みあわせた結合システムを開発した.
 これを,1998年のチベット高原のモンスーン期(7月:雨期)とプレモンスーン期(5月:乾期)に適用した結果,一般に,土壌水分の増加が,対流プロセスとそれによる降水を通して,大気中の不安定性をより強めていること,特に雨期にはその傾向が顕著であることがわかった.一方で,乾期における乾燥した対流による不安定な大気の状態では、大気中に十分な水蒸気が存在しないため、降水しないことがわかった.

 
P066 雲微物理モデルと放射伝達モデルを組み合わせた
大気データ同化システムの開発
小池 俊雄、陽 坤、Cyrus Raza Mirza
東京大学大学院工学系研究科

 本研究では,雲微物理スキームとマイクロ波放射伝達モデルとを組み合わせ,暖かな雲のための1次元変分法による雲微物理同化システム(Cloud Microphysics Data Assimilation System:CMDAS)と,冷たい雲のための1次元変分法による氷晶プロセスを含んだ雲微物理過程の同化システム(Ice Cloud Microphysics Data Assimilation System:IMDAS)を用いて海洋上の大気初期条件の算定に必要な積算雲水量と積算水蒸気量算定手法を開発した.
 CMDASとIMDASに2003年の若狭湾集中観測時に観測された,AMSR-Eの89GHz水平偏波と23GHz水平偏波の輝度温度データを適用した結果,MODISの雲頂画像とも良い対応が見られた.また,CMDASとIMDASの出力結果をAdvanced Regional Prediction System(ARPS)の初期値とし,その結果算定された降水強度と3次元ドップラーレーダで観測された降水強度を比較した結果,良い対応が得られた.




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