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募集要項
IV.「研究領域の概要」、および「研究総括の募集・選考・研究領域運営にあたっての方針」
【CRESTタイプ】
○戦略目標「代謝調節機構解析に基づく細胞機能制御に関する基盤技術の創出」の下の研究領域

4 「代謝調節機構解析に基づく細胞機能制御基盤技術」

研究総括:鈴木 紘一(東レ株式会社 専任理事、先端融合研究所 所長)

研究領域の概要

 本研究領域は、細胞内の代謝変化を統合的あるいは網羅的に解析し、細胞機能の制御メカニズムや恒常性維持のメカニズムを明らかにし、細胞機能を効率的に制御・変換(機能の向上、改変、新規機能の付与など)したり、恒常性の乱れを改善・回復させる細胞制御基盤技術の創出に繋がる研究を対象とします。
 具体的には、1 細胞の代謝産物群の経時的、定量的測定結果をもとに、外部刺激を受けた細胞、病態や発生・分化過程にある細胞など、種々の細胞状態を規定する代謝産物群の同定、それにもとづく細胞状態の分類・評価、細胞状態の転移・変換に繋がる基盤技術の創出、2 既存あるいは個別代謝産物群の動態解析情報に基づく細胞機能のモデリングや細胞状態変化に伴う機能変化予測技術、およびこれらの研究にもとづき特定の代謝経路を特異的に制御する化合物の予測や制御物質の設計、新機能を付与した細胞作製技術、特定代謝経路の特異的修飾技術の開発などの研究が含まれます。
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研究総括の募集・選考・研究領域運営にあたっての方針

 細胞の代謝産物群の網羅的解析を目指すメタボローム解析は、代謝産物の種類が極めて多くしかも濃度範囲が非常に広いため、これらを網羅的に分離・同定・定量する基盤技術の開発が遅れています。しかし、メタボローム研究がもたらす細胞代謝産物の統合的・網羅的な情報は、特定の細胞状態を規定する代謝産物の同定や、細胞機能を制御する基盤技術の創成につながり、細胞制御技術の完成は、基礎研究はもとより、医薬、物質生産など多方面の応用で革新的な途が開けると期待され、世界的な競争が激化しつつあります。開発すべき技術基盤も多く、ハードルも決して低くありませんが、社会的貢献に繋がる夢多い研究領域です。

 世界的に見てもメタボローム研究はまだ初期の段階にあるので、メタボローム研究の基盤や技術を確立し、その後に続く応用・発展研究で確固たる位置を確保することが本領域の設置目的の一つです。したがって、メタボローム研究に正面から取り組み、独創性、発展性に富み、研究が達成された際のインパクトが大きく、この分野の発展に大きく貢献する可能性が高い研究、特に代謝産物の網羅的な解析を目指す研究、基盤技術の開発につながる研究の応募を期待しています。
 本領域の公募は本年度が最後ですが、これまでの応募提案は、比較的狭い代謝領域・代謝経路や特定のタンパク質、酵素群の機能に焦点を当てた代謝研究、いわばフォーカスド・メタボロームや、ゲノムやプロテオームなど既存の枠に入る研究に代謝を加味したものが多く、トランスクリプトーム、プロテオームに続く第3の"オーム研究"に相応しい「代謝産物の網羅的解析」に立脚する研究は少数でした。本年度も網羅的な研究を重視する姿勢は変わりませんが、技術基盤が完成していない現時点では網羅的研究を期待しても難しいかもしれません。
 しかし、従来の研究領域の枠に入りうる研究やフォーカスド・メタボローム的研究の場合にも、メタボローム的研究が主たる研究であり、メタボロームの視点を新しく導入することで飛躍的な発展が予想される提案を歓迎します。
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