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募集要項
III.戦略目標

「安全・安心な社会を実現するための先進的統合センシング技術の創出」
(平成17年度設定)

1.名称

 安全・安心な社会を実現するための先進的統合センシング技術の創出

2.具体的な達成目標

 犯罪・テロや災害等社会の安全・安心を脅かす危険や脅威に対する迅速かつ的確な対応を可能とするため、センサデバイス、情報処理・ネットワーク技術の各技術分野及びそれらを統合した技術開発により、危険物・有害物質や、ビル・橋など建造物の異常等を高感度・高精度に検知し、その情報を迅速に伝達することが可能な先進的統合センシング技術を創出する。
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3.目標設定の背景及び社会経済上の要請

 近年、犯罪・テロ等の増加といった社会の安全・安心を脅かす危険や脅威が顕在化してきている状況を受け、これらに対応するための科学技術への社会的関心が高まっている。
 その中にあって、センシング技術は、セキュリティの確保のみならず、環境計測、社会インフラの安全確保(トンネルや橋梁のモニタリング、工場事故の防止、等)など多くの分野での活用が見込まれており、大規模災害への対応にも重要な役割を期待できることから、将来にわたり安全・安心な社会を維持するための技術基盤となるものである。
 特に、異常を早期に検知し、その情報を迅速に伝達する統合センシング技術を確立することで、迅速かつ的確な対応をとることが可能となり、被害を大幅に軽減することが期待できる。例えば、危険物・有害物質を高感度・高精度に検知し、その情報を迅速に伝達する技術を確立することにより、危険物・有害物質を用いた犯罪・テロ、環境汚染等の発生を迅速に把握し、的確な対応を講じることが可能となる。また、建造物の劣化や異常等を高感度・高精度に検知し、その情報を迅速に伝達する技術を確立することにより、災害・事故発生時の建造物の被害状況を迅速に把握し、的確な対策を講じることが可能となる。
 異常を迅速に検知するためのセンシング技術は、産学官の有識者による安全・安心な社会の構築のための科学技術に関する検討において、多くの安全・安心を脅かす要因の解決に資する共通基盤として取組むべき重点課題として示されている(「安全・安心な社会の構築に関する科学技術政策に関する懇談会」報告書)。また、内閣府総合科学技術会議の「平成17年度科学技術に関する予算、人材等の資源配分方針」(平成16年5月26日決定)においても、強化すべき取り組みとして、テロ(NBC(核・生物・化学)等)の脅威や、過密都市圏等における災害脆弱性の増大等への対策が、また、社会基盤分野の重点領域として、有害危険物質の検知・除染技術や、社会基盤を適切に維持・管理するための対策が挙げられている。このような状況を踏まえ、現在、各省庁においても安全・安心な社会を構築するための科学技術の取組が始まっており、関係省庁間における将来的な連携についても検討しているところである。
 一方、海外においては、現在、米国が、国内30都市に生物剤を検知するセンサを組込んだポストの設置や、鉄道(特に地下鉄)において有害化学物質等を検知するセンサシステムの設置を進める等、社会における安全確保のためのセンサの研究開発及び標準化・実装を国主導で進めている。EUでは、欧州レベルでのセキュリティに関する研究開発への取組を抜本的に強化すべく議論が進められ、2007年に欧州セキュリティ研究プログラムを創設することが検討されている。日米間においては、本年2月より、安全・安心な社会の構築に資するためのセンシング技術に係る基礎研究分野の協力が開始される予定である。
 このように国際的な競争と協調が展開されようとしている状況において、統合センシング技術の研究開発を早急に開始し、新技術シーズを創出することは、我が国にとって喫緊の課題である。
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4.目標設定の科学的裏付け

 統合センシング技術の創出には、センサデバイス、情報処理・ネットワーク技術の各技術分野及びそれらを統合した技術開発が必要である。
 危険物・有害物質、ビルや橋など建造物の劣化や異常等を高感度、高精度に検知するセンサデバイスに関しては、バイオセンサ、ナノセンサ、化学センサ、光ファイバセンサ、アレイセンサ、MEMS(Micro Electro Mechanical System)等のセンサにおいて、高感度化、高精度化、小型化等の技術課題の克服に向けた研究を行う必要がある。
 情報処理・ネットワーク技術に関しては、情報を的確に処理し迅速に伝達することを可能とするために必要な、センサからの多様な情報から異常を検出するための統合的な情報処理技術や、瞬時に双方向で大量のデータのやりとりができるリアルタイム通信路等のネットワーク技術の研究開発を、センサデバイスの開発と統合して行う必要がある。
 将来にわたり安全・安心な社会を維持していくためには、今後発生するであろうさまざまな脅威や危険に対応するために不可欠な新技術シーズの創出を、持続的な研究開発を行うことで図る必要がある。特に、本戦略目標で推進しようとしている、異常を早期に検知し的確に情報を伝達するための統合センシング技術は、従来技術の組み合わせだけでは困難であり、新技術シーズの創出が不可欠な領域である。
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