数学と諸分野の連携に向けた若手数学者交流会(第3回)2022

数学と諸分野の連携に向けた若手数学者交流会(第3回)2022

数学の若手研究者(若手教員・ポスドク・大学院生)が、諸分野との連携から生まれる新しい数学の潜在的可能性 を感じ取り、あるいは再認識して、それぞれの研究の方向性やキャリアパスを広く深く考える機会となる研究交流の場となればと願い、2019年から、「数学と諸分野の連携にむけた若手数学者交流会」を開催しています。お陰様で多くの 数学に関連する若手研究者の皆さんのご賛同をいただき、例年大勢の方々にご参加いただいています。今回も昨年同様オンライン開催で、第3回若手数学者交流会を開催致します。大勢の皆様にご参加いただき、活発な議論や交流をしていただけることを願っています。

世話人:
坪井 俊(CREST「数理モデリング」研究総括、武蔵野大学)
坂上貴之(さきがけ「数理構造活用」研究総括、京都大学)
若山正人(JST研究開発センター上席フェロー、NTT基礎数学研究センタ)
吉脇理雄(JST研究開発センターフェロー)
國府寛司(さきがけ「数学協働」研究総括、京都大学)

【前回の若手数学者交流会HP(参考)】
「若手数学者交流会2021」(2021年3月13日(土)~14(日)開催)

開催概要

日時
2022年3月7日(月)  13:00-19:00 (17:55よりパネルディスカッション開催)
2022年3月8日(火)  13:00-17:30
会場
オンライン開催(Virbelaを使用予定)
主催

国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)

後援

日本数学会
日本応用数理学会

参加について
※「参加登録」より参加申し込みをお願いします。
参加費:無料
定員:200名
お問い合わせ
東京都千代田区五番町7 K's五番町
国立研究開発法人科学技術振興機構 戦略研究推進部 ICTグループ
E-mail:kenji.kondo[at]jst.go.jp, yoko.kobayashi[at]jst.go.jp
(上記の[at]を@に置き換えてください)

プログラム

3月7日

13:00

開会挨拶 坪井 俊(JST CREST「数理モデリング」領域 研究総括)

13:10

基調講演『私の数学遍歴』

石井 志保子(東京大学名誉教授、東京工業大学名誉教授)

14:00

休憩

若手研究者講演セッション1

14:05

『厚み方向垂直応力を考慮した拡張Kirchhoff--Loveシェルの定式化』

谷口靖憲
(早稲田大学大学院創造理工学研究科)

14:25

『楕円型偏微分方程式の解の包含から分かること』

田中一成
(早稲田大学理工学術院総合研究所)

14:45

『低レイノルズ数流れにおける物体の「かたち」』

石本健太
(京都大学数理解析研究所)

15:05

ポスターセッション1
セッション1講演者もポスター発表します。質問はポスターセッションでお願いします

15:50

休憩

若手研究者講演セッション2

16:00

『数理構造と深層学習』

三内顕義 (理化学研究所AIP)

16:20

『A New Variant of Unbalanced Oil and Vinegar Using Quotient Ring: QR-UOV』

古江弘樹 (東京大学大学院情報理工学系研究科)

16:40

『アルゴリズムの平均感度解析』

吉田悠一 (情報・システム研究機構国立情報学研究所)

17:00

ポスターセッション2
セッション2講演者もポスター発表します。質問はポスターセッションでお願いします

17:45

休憩

17:55

意見交換会
パネルディスカッション『若手数学研究者が見る研究ファンディング』

数学・数理科学の若手研究者の方に、数理科学関係のファンディングの状況(これまでの経緯や現状など)について知る機会を設けます。ファンディングに対する若手研究者からの要望・提案などご意見を頂き、今後の事業の参考とさせて頂きたく、多数の方にご参加いただければ幸いです。

モデレータ:吉脇理雄 (JST研究開発戦略センター)
パネリスト:久野恵理香 (大阪大学大学院理学研究科)、
三内顕義 (理化学研究所AIP)、
田中一成 (早稲田大学理工学術院)、
宮﨑弘安 (NTT基礎数学研究センタ / 理化学研究所iTHEMS)

3月8日

13:00

事務局案内

若手研究者講演セッション3

13:05

『On the large deviation principle for persistence diagrams of random cubical filtration』

金澤 秀 (京都大学高等研究院)

13:25

『粒界三次元構造の記述について』

井上和俊 (東北大学材料科学高等研究所)

13:45

『区間近似による2次元パーシステント図の描出とその応用』

中島 健 (理化学研究所AIP)

14:05

『ゼータ値の生成関数とコホモロジー解釈』

山本修司 (慶応義塾大学理工学部)

14:25

ポスターセッション3
セッション3講演者もポスター発表します。質問はポスターセッションでお願いします

15:10

休憩

若手研究者講演セッション4

15:20

『A categorical approach to Markov chains』

Cédric Ho Thanh (情報・システム研究機構国立情報学研究所)

15:40

『有限次元非線形方程式の解の新しい精度保証付き数値計算法』

関根晃太 (千葉工業大学情報科学部)

16:00

『滑らかとは限らない部分多様体に対するLaplacian Eigenmapsの収束とそのレート』

相野眞行 (理化学研究所AIP)

16:20

『有限グラフの第1固有値の最大化と埋め込み』

五明 工 (名古屋大学多元数理科学研究科)

16:40

ポスターセッション4
セッション4講演者もポスター発表します。質問はポスターセッションでお願いします

17:25

閉会挨拶

主要参加プロジェクト(敬称略)

  • 主要参加プロジェクト

    CREST「現代の数理科学と連携するモデリング手法の構築」研究領域

    CREST

    研究総括: 坪井 俊(東京大学大学院 数理科学研究科・教授)

     本研究領域は、数学者と数学を応用する分野の研究者が相互に連携する研究チームを構成して、 現時点で解決が困難な社会的課題に取り組むとともに、そのプロセスの中で数学自体の発展をも 目指すものです。具体的には、応用分野の知見と数学がもつ抽象性や普遍性を利用して、支配原 理・法則が明確でない諸現象に潜む「本質」部分を見出し、数学的アイデアに裏付けられた革新 的モデルを導出する研究、導出された数理モデルや既存の数理モデルについて、解決すべき課題 の核心となる現象を記述していることの実証・検証やモデル評価のための数学理論や技術の構築 も推進しています。更に、導出された数理モデルが普遍性を持ち、様々な分野の課題解決に応用 可能なモデリング技術へと発展していくことも期待しています。

  • CREST「数学・数理科学と情報科学の連携・融合による情報活用基盤の創出と社会課題解決に向けた展開」研究領域

    CREST

    研究総括: 上田 修功(NTTコミュニケーション科学基礎研究所・フェロー/理化学研究所革新知能統合研究センター副センター長)

     様々な科学分野や産業界で生み出されている膨大なデータを活用し新たな科学的・社会的・ 経済的価値を創出していく上で、数学・数理科学と情報科学とが連携・融合した新たな概念や アプローチの創出が不可欠となっています。メカニズムをモデル化する数理モデル型アプロー チとビッグデータを活用するデータ駆動型アプローチとがそれぞれの強みを相補的に活かした 革新的な情報活用手法の創出を通じて、実社会における情報活用の加速・高度化が期待されて います。本研究領域では、AIやビッグデータ解析などのデータ駆動型のアプローチだけでは困 難な実社会の問題解決や付加価値創造に対して、数理科学と情報科学の連携・融合による新た な基盤技術の創出を目指します。具体的には、以下の研究開発に取り組みます。
     (1)数学の発想を取り入れた新たな情報活用手法の創出に資する理論及び技術の構築
     (2)数学・数理科学と情報科学を繋ぐ新たなサイエンスの創出
     (3)様々な分野や産業界における情報の活用を加速・高度化するデータ解析アルゴリズムやソフトウェア等の次世代アプリケーション基盤技術の創出
     上記によりインパクトある社会課題の解決につなげることを目指します。

  • さきがけ「社会的課題の解決に向けた数学と諸分野の協働」研究領域

    さきがけ

    研究総括: 國府 寛司(京都大学 大学院理学研究科・教授)

     従来の科学技術の延長ではなかなか解決できない社会的課題に取り組み、ブレークスルーを起 こすためには、現代の数学から幅広いアイディアや方法を取り入れた斬新な発想による解決が強 く求められています。そのためには、代数、幾何、解析などの純粋数学や応用数学、統計数学、 離散数学など、数学内の様々な分野において「社会的課題を数学的問題として取り上げる」こと が必要です。本研究領域は、社会的課題の解決に向けて数学の力を最大限発揮するとともに、課 題に取り組むプロセスの中で数学自体の発展をも目指しています。また、社会での様々な問題に 対して研究者自らが現場に入り込んで課題を認識し、その解決に向けたアプローチを意識して基 礎研究を推進することを重視した領域運営を行っています。

  • さきがけ「数学と情報科学で解き明かす多様な対象の数理構造と活用」研究領域

    さきがけ

    研究総括: 坂上 貴之(京都大学 大学院理学研究科・教授)

     次世代の社会では抽象的な概念や論理構造、曖昧な知覚や経験などが、広義の情報として科学 的・社会的・経済的な価値を有するようになると言われています。こうした社会の実現に向けて、 数学・数理科学と情報科学が連携・融合し、様々な科学技術分野や産業界における諸課題および 膨大なデータなどから、新しい数学的概念や数理構造を抽出し、それを情報化して利活用するア プローチが不可欠となっています。また、プロセスの記述による演繹的アプローチと大量データ の利用による帰納的アプローチの双方の数理モデリング手法を高度に発展させ、また相補的に活 用する数理的手法の創出を通じて、実社会における情報利活用の高度化・加速も期待されています。 本研究領域では、様々な対象に潜む数理構造や数学的概念を新たな「情報」として抽出し、それ を次世代の社会の価値として利活用することで、私たちの認知能力を拡大し、次世代の社会や科 学技術・産業の形成につなげるような情報活用基盤の創出を目指します。特に、数学・数理科学、 情報科学の各分野の強みを活かしながら、領域として両分野の独立した研究者が連携・相補的に 融合することにより、この目標達成を見据えた革新的な数理構造や数学的概念の提唱、その理論 の構築、および、その情報化手法の研究・開発を推進します。

  • ERATO「メタ数理システムデザイン」研究領域

    ERATO

    研究総括: 蓮尾 一郎(情報・システム研究機構 国立情報学研究所・准教授)

     今日の製造業においては、高度な情報処理技術を用いた自動化とソフトウェア支援により、設 計から生産に至る工程の様相を根本的に変える取り組みが進んでいます。この背景のもと、本プ ロジェクトでは従来のものづくり技術にソフトウェア科学の成果を導入し、仕様策定から設計、 実装、保守まで工業製品開発のさまざまな側面を支援するソフトウェア・ツールの構築を目指し ています。具体的には、「形式手法」というソフトウェア科学における数学を基盤としたシステ ム設計の技法を取り込むことにより、製品の品質保証や効率化へのソフトウェア支援を大きく推 進します。工業製品の開発に形式手法を適用するには、物理系の連続ダイナミクスや確率・時間 などの連続的要素を包含するように形式手法を拡張することが必要です。この理論的困難に対す る独自のアプローチとして、形式手法の拡張の過程そのものを数学的に解析し、高次(メタレベ ル)の理論を構築することで、形式手法の諸技法を一挙に拡張することを目指しています。

  • 理化学研究所 数理創造プログラム(iTHEMS)

    iTHEMS

     数理創造プログラム(Interdisciplinary Theoretical and Mathematical Sciences Program, 略称 iTHEMS アイテムズ)は、理論科学・数学・計算科学の研究者が分野の枠を越えて基礎研究 を推進する、理化学研究所の新しい国際研究拠点です。iTHEMSでは、「数理」を軸とする分野横 断的手法により、宇宙・物質・生命の解明や、社会における基本問題の解決を目指しています

  • 理化学研究所 革新知能統合研究センター(AIP)

    AIP

     革新知能統合研究センターは、革新的な人工知能基盤技術を開発し、それらを応用することによ り、科学研究の進歩や実社会における課題解決に貢献することを目指しています。その中の汎用 基盤技術研究グループに属する数理科学チームでは、幅広い純粋数学・理論物理の研究者の力を 借りて、人工知能・機械学習分野における様々な数学的課題に組織的に取り組んでいます。整数 論、数論幾何、代数幾何、偏微分方程式、超弦理論、量子多体系、微分幾何、位相幾何、作用素 環論、確率論、統計など、幅広い数理科学・物理分野の研究者が参加して、人工知能・機械学習 の専門家とともに、研究を進めています。

  • 科研費/新学術領域研究「次世代物質探索のための離散幾何学」

    領域代表: 小谷 元子(東北大学 大学院理学研究科・教授)

     離散幾何解析学とは、原子・分子のようなミクロ構造やナノ粒子などのメゾ構造(これらを階 層的ネットワークと理解します)と物質・材料のマクロな性質、つまり物性・機能の関係を幾何 学的に記述し、解析するものです。そこでは、(1)物質のミクロ・メゾ構造とマクロな物性・ 機能の関係を解明し(順問題)、(2)求められる物性・機能を持つミクロ・メゾ構造を予見す ること(逆問題)、(3)更に構造を生成する動的構造形成の制御(最適化・制御)が求められ ています。本研究プロジェクトでは、数学と物質・材料科学の連携により、「構造・機能・プロ セスの相関原理」を解明することで、「次世代物質探索のための離散幾何解析学」を創成するこ とを目指しています。

  • 科学研究費助成事業/基盤研究(S)

     数学に関連した下記基盤研究(S)に参加している若手研究者による講演、ポスター発表を予定しています。
     ・基盤研究(S)/研究代表者:石毛和弘(東京大学)
     ・基盤研究(S)/研究代表者:坂内健一(慶応義塾大学)
     ・基盤研究(S)/研究代表者:高橋篤史(大阪大学)
     ・基盤研究(S)/研究代表者:小川卓克(東北大学)
     ・基盤研究(S)/研究代表者:荒川知幸(京都大学)

参加登録

参加をご希望の方は3月1日(火)までに下記より参加申込をお願いいたします。

参加費:無料
定員:200名(定員になり次第、受付を締め切りさせていただきます。)
オンライン会議のアクセスURL等は、登録頂いたメールアドレス宛にご連絡いたします。