- 日時
- 2024年11月29日(金) 9:00~16:40 (8:30開場)
- 開催場所
- ハイブリッド開催:JST別館1階ホール&オンライン(Zoom Webinar)
- 参加費
- 無料、事前の参加登録が必要です
- 参加登録
- https://form.jst.go.jp/s/iot-sympo2024
(登録期間:2024年10月25日~11月26日23:00)
本研究成果展開シンポジウムでは、JSTさきがけ「IoTが拓く未来」事業で進めてきた、IoT機器から得られる多種大量のデータをリアルタイムに統合・分散処理する技術、IoT環境における機能・性能・実装の課題を飛躍的に解決する要素技術、IoT機器の脆弱性、データ保全性等の課題を根本的に解決するセキュリティ技術やプライバシー強化技術等に関する最新の研究成果をご紹介します。
今回は、本さきがけ領域の3期生(2021年度採択)の成果報告会となります。IoTの基礎研究や社会実装に関わる方々のご参加をお待ちしております。
プログラム
- 開会挨拶
9:00~9:10 - 徳田 英幸 (情報通信研究機構・理事長)
- 基調講演
9:10~9:50 - 黒橋 禎夫 (国立情報学研究所 所長/京都大学 特定教授)
生成AIとオープンデータ
休憩9:50~10:00
セッション1:IoTインフラ・プラットフォーム
- 10:00~10:30
- 仲平 依恵 (カーネギーメロン大学 電気計算機研究科・助教)
Control and Learning with Provable Safety and Resilience - 10:30~11:00
- 白川 真一(横浜国立大学 大学院環境情報研究院・教授)
IoTセキュリティのための機械学習の自動カスタマイズ技術 - 11:00~11:30
- 青木 俊介(情報・システム研究機構 国立情報学研究所・助教)
安全なデータ共有・協調型自動運転システムの開発
休憩11:30~13:00
- 基調講演
13:00~13:40 - 菊池 浩明 (明治大学 大学院先端数理科学研究科・専任教授)
AI未来社会を支えるプライバシー保護研究の将来展望
セッション2:IoTサービス・アプリケーション#1
- 13:40~14:10
- 中山 悠 (東京農工大学 大学院工学研究院・准教授)
データ量低減による持続可能なIoT - 14:10~14:40
- 杉浦 裕太(慶應義塾大学 理工学部・准教授)
IoT開発支援のためのバーチャルセンシングプラットフォーム"Vsens"の構築 - 15:00~15:30
- 豊浦 正広(山梨大学 大学院総合研究部・教授)
匿名センシングデータの人・モノ・動作の特性への因子分解 - 15:30~16:00
- 渡邉 拓貴 (公立はこだて未来大学 システム情報科学部・准教授)
ヒアラブルコンピューティングにおけるセキュリティ基盤の確立 - 16:00~16:30
- カイ クンツェ(慶應義塾大学 大学院メディアデザイン研究科・教授)
An Accessibility Assessment Toolkit for Inclusive IoT Design using Onbody Sensing
休憩14:40~15:00
セッション3: IoTサービス・アプリケーション#2
- 総評
16:30~16:40 - 徳田 英幸 (情報通信研究機構・理事長)
基調講演者紹介
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「生成AIとオープンデータ」
黒橋 禎夫(国立情報学研究所 所長/京都大学 特定教授)
経歴
1994年京都大学大学院工学研究科博士課程修了。博士(工学)。2006年4月より京都大学大学院情報学研究科教授。2023年4月より同特定教授および国立情報学研究所長を併任。自然言語処理、知識情報処理の研究に従事。言語処理学会10周年記念論文賞、同20周年記念論文賞、文部科学大臣表彰科学技術賞等を受賞。2024年4月より国立情報学研究所内に大規模言語モデル研究開発センターを設置し、全国の研究者と透明性・信頼性の高い日本語版LLMの構築を目指し研究開発を進めている。
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「AI未来社会を支えるプライバシー保護研究の将来展望」
菊池 浩明(明治大学 大学院先端数理科学研究科・専任教授)
経歴
1988年明治大学工学部電子通信工学科卒、1990年同大学博士前期課程終了、1990年富士通研究所勤務。1994年東海大学工学部助手、講師、助教授を経て、2006年より同大学教授、2013年より明治大学教授。1997年カーネギーメロン大学計算機科学科訪問研究員、2022年Universitat Rovira i Virgili客員研究員。明治大学博士(工学)。2018年一般社団法人 JPCERT コーディネーションセンター (JPCERT/CC) 代表理事。WIDEプロジェクト、IPA独創情報技術育成事業などに従事。ネットワークセキュリティ、暗号プロトコル、ファジィ論理、多値論理、ソフトコンピューティング などに興味を持つ。1990年日本ファジィ学会奨励賞、1993年情報処理学会奨励賞、1996年SCIS論文賞、2004年情報処理学会研究開発奨励賞、2014年情報セキュリティ文化賞等を受賞。
講演者紹介
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「Control and Learning with Provable Safety and Resilience」
仲平 依恵(カーネギーメロン大学)
講演概要
本発表では、より安全でレジリエントな制御・学習手法を紹介します。本手法は、限界性能のトレードオフを改善しながら、障害物回避、ロバスト性、耐障害性、適応性を数学的に保証します。これらの手法は、将来的に、自動運転の信頼性向上などに貢献することが期待されます。
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「IoTセキュリティのための機械学習の自動カスタマイズ技術」
白川 真一(横浜国立大学)
講演概要
IoT技術への期待は大きくなっているが、IoT機器の脆弱性を突いたサイバー攻撃も増加しており、IoTセキュリティの高度化は急務である。本研究では、IoT機器の種類や用途に合わせて特徴量やモデル構造を自動カスタマイズする技術によって機械学習を用いたIoTセキュリティの高度化を目指す。特に、複数のIoT機器で観測されるデータを連携利用することで、効率的な機械学習の自動カスタマイズ基盤技術を確立する。
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「安全なデータ共有・協調型自動運転システムの開発」
青木 俊介(情報・システム研究機構 国立情報学研究所)
講演概要
自動運転システムは比較的豊富な計算資源・IoTセンサ群・通信資源を有している一方、現状では車両単体の安全走行のためだけにデータを用いている。本研究ではデータの安全性・信頼性を向上させ、プライバシーを保護する技術を開発することで、インフラ側IoT機器・周辺の車両・遠隔の一般ユーザとデータを共有・協調する機構を実現し、自動運転システムと都市IoT基盤システムの融合を目指す。
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「データ量低減による持続可能なIoT」
中山 悠(東京農工大学)
講演概要
5GなどのネットワークやAI技術の進歩を背景に、IoTデバイスは増加し続け、デジタルデータは爆発的な増大を続けています。昨今のトレンドである大量データの収集・処理では、設備コストや消費電力の増大、ユーザのプライバシーなどが課題になります。本研究は、データ処理と通信との融合的なアプローチにより、データサイズやその時空間密度の低減などを実現し、持続可能なIoTを目指すものです。
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「IoT開発支援のためのバーチャルセンシングプラットフォーム"Vsens"の構築」
杉浦 裕太(慶應義塾大学)
講演概要
本研究では、実世界センシングを伴うIoTシステム開発の効率化を目指し、バーチャルセンシング基盤"Vsens"を構築する。このVsensは、バーチャル空間上に再現された実世界センサを自由に配置できる機能を持ち、さらにデジタルヒューマンの導入により、実世界センシングモデルの構築に必要なデータセットを取得できる。本研究では、このプラットフォームの要素技術に関する研究を進めるとともに、ヘルスケア分野への展開も視野に入れる。
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「匿名センシングデータの人・モノ・動作の特性への因子分解」
豊浦 正広(山梨大学)
講演概要
世界で個人特定情報の取得を許容しない流れは強まる方向にあります。本研究では、顔画像や個人照合を伴わない匿名センシングデータからでも、高精度な動作認識と同じ人によるデータの追跡の実現を目指します。センシングデータを人・モノ・動作の特性へと因子分解することで、互いの影響を排除して認識できるようにします。研究の実現によって、高度なデータ収集・流通・蓄積・解析が可能な匿名ビッグデータの構築に貢献します。
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「ヒアラブルコンピューティングにおけるセキュリティ基盤の確立」
渡邉 拓貴(公立はこだて未来大学)
講演概要
イヤホン型コンピュータ(ヒアラブルデバイス)を常時装着する社会では、ユーザはヒアラブルデバイスを通して常に情報を得て、それを元に行動することになります。従って、ヒアラブルデバイスへの攻撃によるユーザの行動操作や、常時情報提示によるユーザの聴覚特性変化等の脅威が考えられます。本研究では、ヒアラブルデバイス常時装着環境の脅威を解明し、対策技術を確立することで、ヒアラブルセキュリティ基盤を確立します。
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「An Accessibility Assessment Toolkit for Inclusive IoT Design using Onbody Sensing」
カイ クンツェ(慶應義塾大学)
講演概要
インクルーシブデザイン(ID)とアクセシビリティ(AY)は国連の「持続可能な開発目標」でも中核となるコンセプトです。「標準ユーザ」に該当しない様々な人に貢献し得るIoTですが、AYは個々のサービス開発者に任せられ共通仕様等がないのが現状です。本研究では動的システム設定を可能にするIoT用IDアーキテクチャ構築に向け、装着型センサを用いユーザ視点でIoTのAYを評価するツールキットを開発します。