- 日時
- 2022年12月2日(金) 9:00~17:30 (8:30開場)
- 開催場所
- ハイブリッド開催:オンライン(Zoom Webinar)& JST別館1階ホール
- 参加費
- 無料、事前の参加登録をお願いします(現地参加は50名弱を想定)
- 参加登録
- https://form.jst.go.jp/enquetes/iot-sympo2022
(登録受付期間: 2022年11月1日~11月28日 23:00)
本研究成果展開シンポジウムでは、JSTさきがけ「IoTが拓く未来」事業で進めてきた、IoT機器から得られる多種大量のデータをリアルタイムに統合・分散処理する技術、IoT環境における機能・性能・実装の課題を飛躍的に解決する要素技術、IoT機器の脆弱性、データ保全性等の課題を根本的に解決するセキュリティ技術やプライバシー強化技術等に関する最新の研究成果をご紹介します。
今回は、本さきがけ領域の1期生(2019年度採択)の成果報告会となります。IoTの基礎研究や社会実装に関わる方々のご参加をお待ちしております。
プログラム
- 開会挨拶
9:00~9:10 - 徳田 英幸 (情報通信研究機構・理事長)
- 基調講演
9:10~9:50 - 川原 圭博 (東京大学 大学院工学系研究科・教授)
情報と道具と人の関係のあり方について
休憩 9:50~10:00
セッション1
- 10:00~10:30
- 清 雄一 (電気通信大学 大学院情報理工学研究科・准教授)
Web/IoT横断的プライバシー保護データ解析基盤 - 10:30~11:00
- 山内 利宏 (岡山大学 大学院自然科学研究科・教授)
IoT機器の実行環境の隔離を実現するIoT基盤ソフトウェアの構築 - 11:00~11:30
- 村尾 和哉 (立命館大学 情報理工学部・准教授)
生体情報を活用したウェアラブルセンシング基盤の拡張 - 11:30~12:00
- 吉廣 卓哉 (和歌山大学 システム工学部・准教授)
データ品質に基づいたIoTデータの経済流通プラットフォームの構築
休憩 12:00~13:20
- 基調講演
13:20~14:00 - 原 隆浩 (大阪大学 大学院情報科学研究科・教授)
ビッグデータサイエンスで加速する未来IoT
セッション2
- 14:00~14:30
- 田中 雄一 (大阪大学 大学院工学研究科・教授)
ハイパーモーダル時空間データの超スパース表現 - 14:30~15:00
- 松井 勇佑 (東京大学 大学院情報理工学系研究科・講師)
大規模で不完全なセンサデータに対する高速な最近傍探索 - 15:00~15:30
- 天方 大地 (大阪大学 大学院情報科学研究科・助教)
超高速IoTビッグデータ解析のための分散アルゴリズム基盤
休憩 15:30~15:50
セッション3
- 15:50~16:20
- 杉浦 慎哉 (東京大学 生産技術研究所・准教授)
IoTワイヤレスネットワークセキュリティ - 16:20~16:50
- 若土 弘樹 (名古屋工業大学 大学院工学研究科・准教授)
電磁材料に基づく同一周波数上での新規分散処理技術の開拓 - 16:50~17:20
- 内山 彰 (大阪大学 大学院情報科学研究科・准教授)
ワイヤレスセンシングによるSustainable IoT基盤開発
- 総評
17:20~17:30 - 徳田 英幸
講演者紹介
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「Web/IoT横断的プライバシー保護データ解析基盤」
清 雄一 (電気通信大学)
講演概要
WebやIoT技術により人々の利便性は大きく向上しています。しかし、想定していなかったデータとの思わぬ組合せや、誤差を伴うセンサデータの存在によるプライバシー漏洩が大きな課題となっています。本研究では、プライバシーリスクを把握した上で制御でき、安全かつ高精度に機械学習や統計的データ解析を行うことのできる、Web/IoT横断的プライバシー保護データ解析基盤の研究開発に取り組みます。
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「IoT機器の実行環境の隔離を実現するIoT基盤ソフトウェアの構築」
山内 利宏 (岡山大学)
講演概要
本研究では、システムソフトウェアの観点からIoT機器単体のセキュリティを向上させる基盤技術の確立に取り組みます。具体的には、IoT機器のソフトウェア脆弱性が存在しても攻撃や攻撃の影響を無効化する手法、IoT機器の攻撃可能領域を削減するシステムソフトウェア構成法、および個々のIoT機器毎に最適化したセキュリティポリシとアクセス制御機構の実現を目指します。
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「生体情報を活用したウェアラブルセンシング基盤の拡張」
村尾 和哉 (立命館大学)
講演概要
私が懸念しているウェアラブルセンシングのセキュリティリスクは、装着者による身体及びウェアラブル機器への攻撃です。ウェアラブル機器の普及によって持続可能性を有する公平公正な社会を実現するために、ウェアラブルセンシングに対する攻撃による生体情報操作の可能性を明らかにします。また、攻撃の有効活用によってデータ圧縮や省電力センシング、新たな通信方式の提案などウェアラブルセンシング基盤の拡張を実現します。
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「データ品質に基づいたIoTデータの経済流通プラットフォームの構築」
吉廣 卓哉 (和歌山大学)
講演概要
本研究では、街中に存在する膨大な固定デバイス、スマートフォン、自動車等から常にIoTデータを集め、これを経済的に流通させるプラットフォームの実現を目指します。具体的には、IoTサービス類型毎に品質評価指標を定義し、データソース毎に観測に基づいてデータ品質を評価する手法を構築します。更に、データ品質を用いて動的にデータソースを選択し、経済流通可能なサービスを創出できる仕組みを確立します。
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「ハイパーモーダル時空間データの超スパース表現」
田中 雄一 (大阪大学)
講演概要
サイバーフィジカルシステムを産業的・科学的・工学的に利用するために重要なのは、フィジカル空間の精緻なセンシングです。しかし、大量センサを用いても広大なフィジカル空間を時空間的に遍く覆うのは原理的に不可能なため、革新的なセンシング技術が求められています。本研究では、数千モダリティを持つビッグデータから、フィジカル空間を精緻かつ高速に再構成するための基盤技術を確立します。
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「大規模で不完全なセンサデータに対する高速な最近傍探索」
松井 勇佑 (東京大学)
講演概要
あらゆる環境にセンサが張り巡らされた超スマート社会において、センサが単独で知的処理を行う未来を考える。本研究では、大規模データ処理において最も基盤的な技術である「近似最近傍探索」のセンサ上での実現に取り組む。センサから得られる生データが欠損し、事前処理等でも修復できない環境においても、データ検索を可能とする基盤技術を確立する。
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「超高速IoTビッグデータ解析のための分散アルゴリズム基盤」
天方 大地 (大阪大学)
講演概要
ビッグデータを処理する技術は増々重要となっていますが、これを高速に解析する技術は十分に開発・実装されていません。本研究では、多種大量なIoTデバイスによって生成されるIoTビッグデータを超高速に解析するための分散アルゴリズム基盤を確立します。具体的には、メトリック空間に焦点を当て、多くのデータ空間および距離関数に対応でき、かつ、効率的な並列分散アルゴリズムを設計します。
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「IoTワイヤレスネットワークセキュリティ」
杉浦 慎哉 (東京大学)
講演概要
本研究では、膨大なIoTデバイスによって構成される分散ネットワークのための新しいワイヤレスセキュリティ技術を提案します。IoTに求められる通信要件を満たしながら、情報理論に裏付けられたセキュリティを達成するフレームワークの研究開発に取り組みます。これにより、現状の暗号のみによるセキュリティの弱点を補完しながら、将来にわたっても安全安心な通信基盤の構築に貢献します。
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「電磁材料に基づく同一周波数上での新規分散処理技術の開拓」
若土 弘樹 (名古屋工業大学)
講演概要
本研究では、新しい電磁材料・波形選択メタサーフェスを活用し、異なる同一周波数電波を新概念「パルス幅」に基づいて分散処理できる基盤技術の実現を目指します。本基盤技術により、ソフト側だけでなく、材料・デバイスなどハード側においても電波を操作することが可能となるため、将来的には分散処理性能を未知のレベルまで引き上げることに貢献します。
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「ワイヤレスセンシングによるSustainable IoT基盤開発」
内山 彰 (大阪大学)
講演概要
IoTデバイスの数が膨大となる将来社会では、充電やバッテリ交換の手間が大きな課題となります。本研究では、ヒトやモノの動きが電波に及ぼす影響を直接とらえるワイヤレスセンシングに基づく状況認識技術を確立します。具体的には、電波に影響を与えるにもかかわらずバッテリ交換不要なタグを開発し、複数のヒトやモノによる電波変動を判別するとともに、動きそのものを電波の変化に変換する新しいセンシング基盤を構築します。