国際科学技術協力基盤整備事業「日本‐台湾研究交流」平成30年度新規課題 一覧

別紙1
課題名日本側
研究代表者
所属・役職課題概要
台湾側
研究代表者
独居高齢者のQOLのモニタリングと向上のための遠隔社会的インタラクション支援

熊田 孝恒

京都大学
大学院情報学研究科
教授

本研究は、独居高齢者の社会的相互作用を促進することによって、高齢者のQOL や認知機能の維持・向上を目指す。具体的には、孤食の問題を取り上げる。通信技術とロボティクス技術を用いて、遠隔に住む家族などとバーチャルに食事を共にする(共食)体験を創出する。また、共食時の会話や動作の人工知能技術による解析に基づいて、高齢者の認知社会機能やQOL の低下を検出するための技術を確立する。
日本側チームは高齢者の社会認知機能やQOL の心理学的、情報学的評価と遠隔通信システムのプロトタイプの開発、台湾チームはシステムのユーザビリティの検証や改善とロボティクス技術によるインタフェースの開発を担う。食に関わる文化的な差異にも着目し、それぞれの文化差や個人差に適合したシステムの開発と運用を目指す。

岳 修平

国立台湾大学
理学院心理学系、生物資源農学院生物産業伝播発展学系
教授

超高齢化社会で活躍する高齢者を支援するソフトエグゾスケルトンならびに装着型アシスト機器の開発

栗田 雄一

広島大学
大学院工学研究科
教授

本研究は、歩行と転倒防止を支援するSmart Assistive Soft Exoskeleton(SASE)技術を開発することを目的とする。従来の運動アシストロボットは、強い支援力、細かな制御機能をもつが重く、高価である。一方、提案するSASE技術は、低圧駆動ゴム人工筋技術を用いることで、軽量・柔軟で着脱しやすく、オーダーメイド製作が容易になるメリットがある。高齢者が活躍する社会を実現するために、本研究では、1)センサとディスプレイ機能を備えたアシスト機器の設計、2)歩行補助と転倒予防の評価技術開発、3)医療機関における提案システムの評価、という3つの課題に、工学、ヒューマン・コンピュータ・インタラクション、医師、理学・作業療法士のチームで挑戦する。

陳 彦仰

国立台湾大学
電機資訊学院資訊工程学系
副教授

高齢難聴者を対象としたインクルーシブ音デザイン:音環境の分析とガイドライン構築

寺澤 洋子

筑波大学
図書館情報メディア系
助教

本研究は、高齢者が安全に暮らすために不可欠な環境・情動情報を効率よく伝達するための音デザインを、模擬難聴技術を用いて検討する。フィールドレコーディングと企業連携によって環境音データを取得し、新たに開発する模擬難聴システムと難聴実験を用いて、それらの環境音を高齢者がどのように聞いているかを分析する。日本側と台湾側の構成員により、音デザイン、模擬難聴、聴取実験の3チームを作り、それぞれのチームにおいて日台共同の取り組みを行い、かつチーム間の連携も緊密に行う。
日台合同チームによる共同研究を通して、ハイレベルな模擬難聴システムの構築と、日台間に共通な音デザインの課題発見、日台の電気通信産業・サービス産業への貢献が期待される。

劉 奕汶

国立清華大学
電機資訊学院電機工程学系
副教授