e-ASIA共同研究プログラム(e-ASIA Joint Research Program; "e-ASIA JRP") 令和5年度採択「環境」分野 共同研究課題募集のお知らせ

国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)は、「e-ASIA共同研究プログラム(e-ASIA Joint Research Program; "e-ASIA JRP")」に参加し、3カ国以上の多国間国際共同研究課題を支援しています。
e-ASIA JRPは、アジア地域において、科学技術分野の研究開発力の強化を目指し、研究交流を加速するとともに、アジア諸国が共通して抱える課題の解決を目指し、国際共同研究を推進するプログラムです。
第12回となる本公募では、e-ASIA JRPに参加する各国の公的研究費配分機関と協力し、英文公募要領の通り募集します。また、以下要点を日本語でも示します。

共同研究の募集対象分野

環境分野:「Low Carbon Society(低炭素社会)」
 2022年の気候変動に関する政府間パネル(IPCC)の第6次評価報告書内のWG2報告書が公表され、「人為起源の気候変動は、極端現象の頻度と強度の増加を伴い、自然と人間に対して、広範囲にわたる悪影響とそれに関連した損失と損害を、自然の気候変動の範囲を超えて引き起こしている」等と評価されており、早急な対応が求められる。
また、気候問題の解決に関連して2015年に採択されたパリ協定の実現に向けて世界が取組みを進めており、120以上の国と地域が「2050年カーボンニュートラル」という目標を掲げている中、我が国やASEAN諸国でも対応が進められている。
2050年に向けて二酸化炭素の排出を大幅に削減していくためには、あらゆる技術的な選択肢を追求していく必要がある。その一つとして、二酸化炭素の回収、利用、貯留 (CCUS)技術は、世界のエネルギーと気候の目標を達成する上で重要かつ多様な役割を果たすことが期待できるが、CCUS の展開はネットゼロシナリオで必要とされる水準を大幅に下回ったままであり、ASEAN諸国も含めた新たなイノベーションが求められる。
さらに、蓄電池は自動車の電動化によるCO2排出削減、および再生エネルギーの主力電源化を達成するための最重要技術の一つである。このため、諸外国においても、欧米等の政府が蓄電池の実用化に向けて政策を強化するとともに、産業界においてもスタートアップや異業種からの参入含め、蓄電池のバリューチェーン構築に向けた投資の活発化や産業構造の変化が起きつつある。また、蓄電池のリサイクルを含めたサステイナビリティ確保についても仕組みが検討されている。このようなグローバルな環境の変化の中、日本やASEAN諸国においても実用化に向けた取り組みが求められる。
ASEAN諸国のエネルギー起源CO2排出量は世界の数%程度にとどまるが、将来的な人口増加・経済成長が見込まれており、世界全体での脱炭素化に向けて、ASEAN諸国における環境負荷低減への取り組みは足元の排出総量および将来的なエネルギー需要増加ポテンシャルの観点から非常に重要となる。

本公募は、東アジアの環境問題に取り組む研究課題を募集し、多国間連携による地域の能力強化に貢献することを目的としている。地域共同研究を通じて、低炭素社会、カーボンニュートラルの目標に向けて、革新的な技術や方法論が開発されることが期待される。
募集のテーマは以下の3テーマを中心に実施する。
I.  炭素の回収・利用・貯留(CCUS)技術
II.  低炭素社会に向けた社会科学的研究
III. 電池リサイクルおよび新たな電池に向けた材料開発

○想定される研究テーマ

  • • 直接空気回収(Direct Air Capture; DAC)、回収・貯留付きバイオマス発電(Bioenergy with Carbon Capture and Storage; BECCS)、海洋・農地・森林への吸収等を含むCCUS技術の研究開発
  • • CCUS技術のコスト削減、実用化に向けての運用方法の検討
  • • 国内外の政策目標に沿った低炭素社会の効果的な実現に向けたアクションリサーチ
  • • 電池のリサイクル技術の研究
  • • 使用済み電池からの有用物質の単離等を含めた、電池のリサイクル技術の研究
  • • 環境負荷の低い新たな電池材料の研究開発

共同研究コンソーシアムの構成と公募参加機関

共同研究課題は、公募参加国のうち3カ国以上の多国間共同研究であることが必要です。参加国の組み合わせは、公募参加国の中から応募者側で自由に提案することが可能です。
採択された共同研究課題には、日本側研究機関にはJSTから、相手国研究チームに対しては相手国側の公募参加機関により支援が実施されます。

e-ASIA JRPの仕組み

支援には、新規予算の配賦による支援の他、予算配賦によらない支援(in-kind)があります。
in-kindの場合、公募参加機関からの研究費支援はありません。当該国側の研究チームの課題実施に必要な経費は、当該国側研究チームの所属機関の運営費等、自国の公募参加機関以外の予算により研究者側で確保する必要があります。
各公募参加機関の詳しい支援内容は募集要項(Appendixを含む)をご覧ください。

公募参加機関と支援タイプ(各国政府の方針により変わることがあります)

 A:新規予算による支援(new)
 B:新規予算または予算配賦によらない支援(new or in-kind)
 C:予算配賦によらない支援(in-kind)

空欄:不参加

参加国名公募参加機関募集分野
環境分野
日本 科学技術振興機構(JST) A
インドネシア Ministry of Education, Culture, Research and Technology (DIKBUDRISTEK) A
ラオス Ministry of Education and Sports (MOES) C
タイ National Research Council of Thailand (NRCT) A
Program Management Unit for Human Resources & Institutional Development, Research and Innovation (PMU-B) A

※今後参加国が追加される場合は適宜本HPにて公表します。

JSTの支援の内容

採択された日本側研究者は、3年間で直接経費2,700万円を上限として委託研究費をJSTより受け取ることができます。
委託研究費には、直接経費の30%に当たる間接経費が別途支給されます。

本研究領域の日本側研究主幹

環境分野: 肱岡 靖明(国立環境研究所 気候変動適応センター 副センター長)

募集期間等

Lead PIからe-ASIA事務局への応募書類の提出:令和5年1月10日(火)~令和5年4月28日(金)午後5時(タイ時間)
日本側研究代表者によるe-Rad登録:令和5年1月10日(火)~令和5年4月28日(金)午後7時(日本時間)
採択決定時期:令和5年11月(予定)
支援開始時期:令和6年4月1日(予定)

応募方法

• 応募にあたっては、e-ASIA JRP事務局に対する手続きの他、各国公募参加機関ごとに別途必要な手続きが設けられている場合があります。
共同研究提案の共同研究コンソーシアムを構成する日本側、相手国側、すべての関係国のPIにおいて、自国の公募参加機関が求める応募手続きを期限内に完了してください。各国公募参加機関が定める手続きが全て完了していない場合、不受理となります。

• 各国公募参加機関ごとの必要な手続きやルールについては、募集要項のAppendixに記載されています(必要に応じ各国機関へ直接お問い合わせください)。

• 日本側応募者に関係するルールおよび手続きについては、募集要項のAppendixおよび「日本側応募者への応募にあたっての注意事項」をご確認ください。

日本側研究代表者が共同研究課題全体のコンソーシアムLead PIの場合は、下記の(1)および(2)、コンソーシアムLead PIではない場合は(2)のみが必要になります。

(1)e-ASIA JRP事務局への共同研究課題提案書のeメールによる提出

 提出先:e-ASIA JRP 事務局(担当:金子 恵美(かねこ えみ))
 Email:easia_secretariat(at)jst.go.jp (at)を@にしてください。
 ※郵送、FAXなど、eメール以外の方法で提出された場合、受付できません。
 ※e-ASIA JRP事務局へ提案書が送付されたら、送信者宛てに1週間以内にメールで受取の確認の連絡を行います。
 このメールが届かない場合は速やかにe-ASIA JRP事務局へ連絡してください。
 なお、e-ASIA JRP事務局はメール不達による一切の責任を負いません。

(2)府省共通研究開発管理システム:e-Radへ申請登録

(1)で提出した「共同研究課題提案書」、「日本側応募様式 Form 1J 及び 2J」をe-Rad上で提出する必要があります。
 e-Radへ申請登録がなされなかった場合は審査の対象になりませんのでご注意下さい。
 ※e-Radの詳しい操作方法については「e-Radによる応募方法」をご覧ください。

必要書類のダウンロード

書類リンク
公募要領 Call Guideline(環境分野) PDF
日本側応募者への応募にあたっての注意事項 PDF
e-Radによる応募方法 PDF
共同研究課題提案書(英語様式)(環境分野) Form1E-9E Word
日本側応募様式 Form 1J 及び 2J(環境分野) Word

問い合わせ

国立研究開発法人科学技術振興機構
国際部 事業実施グループ
e-ASIA JRP担当 勝又(かつまた)、片山(かたやま)、小谷(こだに)、大塚(おおつか)
TEL: 03-5214-7375 FAX:03-5214-7379
E-mail: easiajrp(at)jst.go.jp  (at)を@にしてください。