e-ASIA共同研究プログラム(e-ASIA Joint Research Program; "e-ASIA JRP") 令和3年度採択「材料」分野、「環境」分野 共同研究課題募集のお知らせ

国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)は、「e-ASIA共同研究プログラム(e-ASIA Joint Research Program; "e-ASIA JRP")」に参加し、3カ国以上の多国間国際共同研究課題を支援しています。
e-ASIA JRPは、アジア地域において、科学技術分野の研究開発力の強化を目指し、研究交流を加速するとともに、アジア諸国が共通して抱える課題の解決を目指し、国際共同研究を推進するプログラムです。
第10回となる本公募ではe-ASIA JRPに参加する各国の公的研究費配分機関と協力し、以下のとおり共同研究課題の提案を募集します。

共同研究の募集対象分野

① 材料分野:「マテリアルズ・インフォマティクス」

近年のコンピューターと情報処理技術の発達により、計算科学とシミュレーション技術は急速に発展し、第一原理計算などの計算科学から得られる知見の高度化が達成され、物質・材料科学における原理解明が進んだ。また、大量かつ複雑なデータからそれらの持つ意味や新しい知識を引き出す情報科学技術の進展が著しい。そのため、「材料」分野は、マテリアルズ・インフォマティクス(情報科学による材料研究)をテーマとし、コンピューターシミュレーションによる材料研究、計算科学による材料研究、データ科学による材料研究を含むものとする(主なサブトピックは以下、詳細は英文募集要項参照)。

1. コンピューターシミュレーションによる材料研究
・第一原理計算とモンテカルロ法などによるコンピューターシミュレーションを使用した材料開発。

2. 計算科学による材料研究
・第一原理計算と量子分子動力学によるコンピューター計算。計算科学による効率的材料開発。

3. データ科学による材料研究
・逆問題的アプローチ。機械学習。ベイズの定理の活用。目的の要素と触媒を発見するための大規模データ解析。

4. 新しいアルゴリズムと大規模データアプローチを使った材料性質予測による材料研究

5. AIとコンピューター技術を利用した材料研究

② 環境分野:「海洋科学と気候変動」

環境分野の中でも特に海洋科学については、2017年12月国連総会において「持続可能な開発のための海洋科学の10年」が決議され、2021年から10年間取り組まれることになった。これは、海洋に関する各分野の深い理解を生かし、学際的な対話を強化し、課題解決型の研究を推進して、国や社会的アクターによる持続可能な開発の実現に資する新しい知識や革新的な技術を創生することをめざしている。e-ASIA JRPにおいてもこれに呼応して公募を実施することにより、東アジア地域におけるパートナーシップや技術を創出し、海洋のさまざまな問題の解決に即した情報の収集のために必要となる科学的能力を強化・拡大し、海洋・沿岸域を対象として活動する関係者のニーズに応えていくことにより、東アジア地域における科学技術分野の研究開発力の強化およびSDGs(目標14:海の豊かさを守ろう、目標13:気候変動に具体的な対策を)等への貢献に資することが可能となる(主なサブトピックは以下、詳細は英文募集要項参照)。

1. 油濁(油による汚染)、海洋ゴミやプラスチック、重金属、栄養素、陸地からの汚水などによる海洋汚染を防止するための対策に関する研究

2. 魚介資源、石油、ガス生産などの天然資源の持続可能な利用を含む、海洋生態系と生物多様性の保全に関連する研究

3. 地球温暖化や海面上昇、異常気象などの地域の気候変動による現象や災害に対応した海洋および沿岸地域のレジリエンスの向上に関する研究

※第10回公募では、その他に「ヘルスリサーチ」分野についても提案募集を行います。

日本側の公募機関は、日本医療研究開発機構(AMED)です。詳しくはホームページをご覧ください。

Call for Proposals (e-ASIA Joint Research Program; "e-ASIA JRP")

共同研究コンソーシアムの構成と公募参加機関

共同研究課題は、公募参加国のうち3カ国以上の多国間共同研究であることが必要です。参加国の組み合わせは、公募参加国の中から応募者側で自由に提案することが可能です。
採択された共同研究課題には、日本側研究機関にはJSTから、相手国研究チームに対しては相手国側の公募参加機関により支援が実施されます。

e-ASIA JRPの仕組み

支援には、新規予算の配賦による支援の他、予算配賦によらない支援(in-kind)があります。

in-kindの場合、公募参加機関からの研究費支援はありません。当該国側の研究チームの課題実施に必要な経費は、当該国側研究チームの所属機関の運営費等、自国の公募参加機関以外の予算により研究者側で確保する必要があります。

各公募参加機関の詳しい支援内容は募集要項(Appendixを含む)をご覧ください。

公募参加機関と支援タイプ

A:新規予算による支援(new)
B:新規予算または予算配賦によらない支援(new or in-kind)
C:予算配賦によらない支援(in-kind)

空欄:不参加

参加国名公募参加機関募集分野
材料分野環境分野
インドネシア Ministry of Research and Technology/National Research and Innovation Agency (RISTEK/BRIN)*1 A A
日本 科学技術振興機構(JST) A A
フィリピン Department of Science and Technology
(材料:DOST-PCIEERD、環境:DOST-PCAARRD)
A A
シンガポール A*STAR C
タイ PMU-B B

*1:インドネシアRISTEK/BRINが実施する国際協力に関する競争的資金公募(KLN)に別途応募し、採択されると新規予算が配賦されます。詳細はRISTEK/BRINにお問い合わせください。

JSTの支援の内容

採択された日本側研究者は、3年間で直接経費2,700万円を上限として委託研究費をJSTより受け取ることができます。委託研究費には、直接経費の30%に当たる間接経費が別途支給されます。

本研究領域の日本側研究主幹

① 材料分野:選定中
② 環境分野:肱岡 靖明(国立環境研究所 気候変動適応センター 副センター長)

募集期間等

Lead PIからe-ASIA事務局への応募書類の提出:令和2年12月15日(火)~令和3年3月29日(月)午後5時(タイ時間)
日本側研究代表者によるe-rad登録:令和2年12月15日(火)~令和3年3月29日(月)午後7時(日本時間)
採択決定時期:令和3年11月下旬(予定)
支援開始時期:令和4年4月1日(予定)

応募方法

• 応募にあたっては、e-ASIA JRP事務局に対する手続きの他、各国公募参加機関ごとに別途必要な手続きが設けられている場合があります。
共同研究提案の共同研究コンソーシアムを構成する日本側、相手国側、すべての関係国のPIにおいて、自国の公募参加機関が求める応募手続きを期限内に完了してください。 各国公募参加機関が定める手続きが全て完了していない場合、不受理となります。

• 各国公募参加機関ごとの必要な手続きやルールについては、募集要項のAppendixに記載されています(必要に応じ各国機関へ直接お問い合わせください)。

• 日本側応募者に関係するルールおよび手続きについては、募集要項のAppendixおよび「日本側応募者への応募にあたっての注意事項」をご確認ください。

日本側研究代表者が共同研究課題全体のコンソーシアムLead PIの場合は、下記の(1)および(2)、コンソーシアムLead PIではない場合は(2)のみが必要になります。

(1)e-ASIA JRP事務局への共同研究課題提案書のeメールによる提出

提出先:e-ASIA JRP 事務局(担当:小林 義英(こばやし よしひで))
Email:easia_secretariat@jst.go.jp

※郵送、FAXなど、eメール以外の方法で提出された場合、受付できません。
※e-ASIA JRP事務局へ提案書が送付されたら、送信者宛てに1週間以内にメールで受取の確認の連絡を行います。このメールが届かない場合は速やかにe-ASIA JRP事務局へ連絡してください。なお、e-ASIA JRP事務局はメール不達による一切の責任を負いません。

(2)府省共通研究開発管理システム:e-Radへ申請登録

(1)で提出した「共同研究課題提案書」、「日本側応募様式 Form 1J 及び 2J」をe-Rad上で提出する必要があります。e-Radへ申請登録がなされなかった場合は審査の対象になりませんのでご注意下さい。
※e-Radの詳しい操作方法については「e-Radによる応募方法」をご覧ください。

必要書類のダウンロード

書類リンク
公募要領 Call Guideline(材料分野) PDF
公募要領 Call Guideline(環境分野) PDF
日本側応募者への応募にあたっての注意事項 PDF
e-Radによる応募方法 PDF
共同研究課題提案書(英語様式) Form1E-9E Word
日本側応募様式 Form 1J 及び 2J Word

問い合わせ

国立研究開発法人科学技術振興機構
国際部 事業実施担当 神戸川(かんべがわ)、片山(かたやま)、火口(ひぐち)、小谷(こだに)
TEL: 03-5214-7375 FAX:03-5214-7379
E-mail: easiajrp(at)jst.go.jp  (at)を@にしてください。