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2018

  • 2018.06.26プレスリリース
    【プレス発表】
    住友化学とブリヂストンの成果に関する内閣府主催の記者懇談会
    (プレスリリース発表)開催のご報告

2018年6月25日、内閣府記者会見室において第7回ImPACT記者懇談会が開催され、伊藤プログラムの成果として2件のプレス発表をいたしました。
① 住友化学株式会社:
「PMMAをベースとした軽くて頑丈な透明樹脂を開発 ~自動車前面窓の耐衝撃性試験をクリア~
② 株式会社ブリヂストン:
「低燃費性と高破壊強度を両立したゴム複合体を開発 ~タイヤの省資源化と低燃費性能の向上に貢献~」

計25社から35名のプレス関係者が参加し、発表やデモ実演を通し、また活発な質疑応答により、プログラムの概況、成果の理解に繋がったものと思います。

開会のあいさつに続き、伊藤耕三プログラムマネージャー(PM)がプログラムの全体概要を説明しました。

次に、住友化学株式会社から、永松PLの冒頭説明後、笠原氏よりプログラム内のマルチリンクな産学連携を活用しアカデミアの知見と同社の持つ技術を組み合わせたこと、それによりメタクリル樹脂(PMMA)の透明性を維持しながら薄くてもたわみが小さく、かつ割れにくい高剛性・高タフネスな透明樹脂の開発について説明がありました。
1つめのデモンストレーションでは、ポリカーボネート、従来PMMA、開発品の長方形(300mmx50mmx3mm)試料の両端を支持し、中央に1kgの重りを載せた時のたわみ度合いを示しました。(写真4)
2つめのデモンストレーションでは、従来PMMAと開発品の2種類の試験片(150mmx150mmx3mm)に落球試験(高さ1m、落球重量358g)を行い、従来品では破砕したものの、開発品は破壊せず落球が跳ね返る様子を示しました。(写真5)
続いて、株式会社ブリヂストンの角田PLより、タイヤに求められる環境性能の高まりによるタイヤ用ゴム材料のタフネス化の重要性、燃費特性に寄与する材料物性を向上させながら強度を大幅に改善するための視点として『き裂進展』に着目したこと、およびプログラム内での産学連携を活用した新概念導入によるブレークスルーについて説明がありました。

デモンストレーションでは、従来品と開発品の長方形試験片を冶具で引き延ばした状態から、長辺にはさみを入れたときの「き裂」の進展を示しました。(写真6)

上記2社の開発品は、9月末に完成予定のコンセプトカーに搭載される予定です。

【写真1】
伊藤PMの説明
【写真2】
住友化学株式会社の説明:リヤウインドウを掲げて見せる
【写真3】
株式会社ブリヂストンの説明
【写真4】
デモ1(住友化学):1kgのおもりを載せてたわみ具合を比較
従来のPMMA(中央)に比べてたわみの小さい開発品(左)
ポリカーボネート(右)と比較しても開発品はたわみが小さい
【動画1】
デモ2(住友化学):落球試験の様子
【写真5】
デモ3(ブリヂストン):試験片を冶具で引き延ばしはさみで切れ目を入れき裂進展を比較

Aは開発品の試験片を冶具で引き延ばした状態。
Dは従来品。Aと同量引き延ばした後はさみで切れ込みを入れた瞬間き裂が進展し離断。
Cは開発品をAと同量引き延ばした後にはさみで切れ込みを入れたもの。時間が経過してもき裂は進展しなかった。(写真は実演後約30分経過したときの状態)
Bは2番目より多くは引き延ばした開発品の試験片にはさみを入れたもの。同様に時間が経過してもき裂は進展しなかった。

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