自然災害や人為災害などの緊急事態が発生した際には、社会インフラとして観測が可能な衛星システムにより、いつでもどこでも迅速な対応を行い、被害を最小限に食い止めることが必要だ。そのためには衛星システムに「悪天候・夜間対応」「即時性」、および「広域災害対応」「周辺領域同時観測性」が求められる。本プログラムでは、オンデマンドで打ち上げ、即時観測が可能な「小型合成開口レーダ」(SAR:Synthetic Aperture Radar)衛星システムを開発する。SARには従来方式とは異なる「受動平面展開アンテナ方式」を採用し、1m級の分解能で、100kg 級の軽量化と高密度収納性を実現。量産コストも従来の10分の1程度の20億円に収めることを目標にする。これらにより必要なときに必要な地点で観測できる衛星を打ち上げて、夜間や悪天候でも打上後から数十分~数時間で観測可能なシステムを構築する。
- 衛星システムプロジェクトでは、研究開発機関の選定に際し、高コストにならず、信頼性に対して従来の衛星開発の考え方にとらわれずに衛星バスの開発が可能であり、その上でオンデマンド化(自動・自律)機能や衛星バス機器の研究開発を牽引できる機関を委託研究機関として東京大学を選定した。
- SARシステムプロジェクトでは、SARの高密度収納化、小型軽量化について解決の方向性が提示できている世界で唯一の機関であるJAXAと東工大を委託研究機関として選定した。
- 総合システムプロジェクトでは、衛星システムについて十分な理解をもち、多様な想定ユーザーと調整を実施できるとともに、それらをプラットフォーム化し、評価システムの研究が可能な機関として慶應大学を定した。
マネージメント体制
内閣府 革新的研究開発推進プログラム
ImPACTプログラム・マネージャー
白坂 成功 Seiko Shirasaka
PM補佐(研究開発マネジメント担当)
中村 信乃夫 shinobu nakamura
PM補佐(研究開発マネジメント担当)
唐原 健 Takeshi Tohara
プロジェクト名 |
研究開発機関名 |
研究開発責任者 |
総合システムプロジェクト |
学校法人 慶應義塾 |
白坂 成功 |
SARシステムプロジェクト |
国立研究開発法人 宇宙航空研究開発機構 |
齋藤 宏文 |
|
国立大学法人 東京工業大学 |
廣川 二郎 |
衛星システムプロジェクト |
国立大学法人東京大学 |
中須賀 真一 |