HOME > 研究代表者・研究課題 平成24年度
最終更新日:2013年4月1日
高田 潤 | 微生物由来のナノ構造制御鉄酸化物の革新的機能創出 |
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中井 浩巳 | 相対論的電子論が拓く革新的機能材料設計 |
森田 靖 | 安定な有機ラジカルの蓄電および光電変換材料への応用 |
自然界に生息する鉄酸化細菌は、地下水が湧き出る場所で細胞外に鞘状やリボン状の特異な形をした酸化鉄構造体を作ります。研究代表者らは、これまで不要廃棄物とされてきたこの微生物由来の酸化鉄が鉄やケイ素を主成分とする非晶質ナノ粒子から構成されており、優れた機能(例えば、Liイオン電池負極特性やヒト細胞への親和性等)を持つことを発見しました。本研究では、材料科学、微生物学、電気化学、バイオテクノロジー、触媒化学、計算科学といった異分野融合体制のもと、人工的に化学組成やナノ構造を制御したエコ材料を創り出し、革新的機能を創出することを目指します。
中井 浩巳ホームページ
早稲田大学 先進理工学部 教授
波田 雅彦 | 首都大学東京 大学院理工学研究科 教授 |
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中嶋 隆人 | 理化学研究所 計算科学研究機構 チームリーダー |
長谷川 淳也 | 北海道大学 触媒化学研究センター 教授 |
平田 聡 | イリノイ大学 アーバナ・シャンペン校 教授 |
青木 百合子 | 九州大学 大学院総合理工学研究院 教授 |
森 寛敏 | お茶の水女子大学 大学院人間文化創成科学研究科 准教授 |
希少元素や規制元素の多くは重元素であり、相対論的効果が無視できません。そこで本研究では、理論的基盤として相対論的量子化学理論の確立を目指します。そして、触媒活性・電磁気特性・電子機能材料・生体光機能・機能性高分子に対して、理論的手法を用いて元素の特性を理解し、革新的な機能を持つ物質・材料を設計することを目的とします。特に、異種元素間の化学結合、種々のスピン状態が関与するスピンクロスオーバー現象、同一組成であっても機能に大きな違いをもたらすナノサイズ効果に着目し、研究を推進します。
本研究では、研究代表者らが独自に開発した空気中でも安定な有機ラジカルであるトリオキソトリアンギュレンTOTを基盤とした新たな分子を設計・合成し、基礎的な電子物性を解明します。そして、これらの分子を活用した「非レアメタル系次世代型有機二次電池」の開発と、これらの分子を用いた「近赤外光に応答する光電変換薄膜」の調製とそれを活用した「全波長領域応答ハイブリッド型太陽電池」の開発を行います。これらの研究を基に、次世代有機電子デバイスの開発に向けた新しい学術的基礎の構築と、資源・環境問題の解決に向けた元素戦略アプローチを推進します。