拠点
プロジェクトリーダー
- 上野山 雄
パナソニック(株)
顧問
研究リーダー
- 金田 安史
大阪大学
理事・副学長
目指すべき将来の姿
拠点概要
本拠点は、10年後のビジョンとして、子どもから高齢者に至るまで、本来持っている素晴らしい潜在力を発揮することで、一人ひとりが自立し、自ら課題に立ち向かう“積極的自立社会”の実現を目指しています。心身の成長に最も重要な幼少期の脳の発達研究に重点を置き、医脳理工の緊密な連携の下、脳機能に関わる人間力決定因子を究明し、「ストレスフリー・快適生活を実現(過剰なストレスを排除し、脳が活性化する快適空間を提供)」、更にはコミュニティにおけるネットワークの役割を解明し、「コミュニケーションの質を高め、生き生きした教育環境を提供」することで、「健康」「教育」に焦点をあてた豊かな生活環境の構築を図っていきます。
研究開発テーマ
- 1.ストレスバイオマーカーの探索と新しい検出方法
- 活性化を阻害する大きな要因はストレスです。その定量的評価のため、様々なストレス物質のうち、微量の涙液や血液からでも検出可能なバイオマーカーを探しています。さらに、これらストレス物質量を迅速に把握するため、より簡便な新しい検出方法の開発にも取り組んでいます。
- 2.腸内フローラ改善と体内水素発生による免疫力強化
- 腸は第二の脳と言われるように、免疫力を高め、活性化する上で重要です。腸内フローラ改善のための医薬品・サプリの開発や腸内環境モニタリングセンサの開発を行っています。また、シリコンナノ粒子による体内水素発生を用いた酸化性ストレス物質の排除による免疫力強化にも取り組んでいます。
- 3.脳機能イメージング技術の開発とコミュニケーションの質の可視化
- 7テスラfMRIなどの脳機能計測装置を導入し、脳機能の解明、他のセンシング技術との紐づけを試みています。また、脳神経ネットワーク理論として新たな基本原理を提唱、これを用いたコミュニティのモデル化にも取り組んでいます。学校、ビジネス、地域社会などのコミュニティにおけるコミュニケーションの質を可視化、介入・最適化することで、コミュニティ全体の活性化を目指します。
- 4.装着感のないウエアラブルセンサと活性化デバイスの開発
- ストレスを把握し、適切な治療・介入を施すには、脳波等の負担のないモニタリングが必要です。最新鋭ウエアラブルセンサの医学的検証を行うとともに、より装着感のないデバイス開発を行っています。さらに、モニタリングと同時に、音楽や経頭蓋電流刺激による活性化が可能な一体化デバイスの開発も行っています。
- 5.深睡眠と音楽による活性化
- 睡眠が人の活性に与える影響は大きいと考えられることから、睡眠教育アプリの開発、睡眠診断と環境温度等の最適化による快眠の提供を試みています。また、音楽=聴覚からの刺激による感情抽出・活性化についても検討、脳状態に応じた最適なコンテンツの自動作曲を試みています。
- 6.脳の個性を活かした子どもの健やかな心の育成
- 世界に3台しかない幼児用MEGを用いて様々な幼児の脳機能を測定、子どもの個性、多様な将来性を踏まえた脳機能の評価を行っています。高齢者の脳機能評価、MEG高性能化のための超伝導センサ開発、ロボットによるインタラクション促進の取り組みも行っています。