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セキュリティマーク、その認証方法及び認証装置

阿部 二朗(青山学院大学 理工学部)

発明のポイント

本発明は強固なセキュリティ材料と新しい認証方式により、紙幣やクレジットカード、ブランド品などの偽造を防止するものである。特に、フォトクロミックインキを複数組み合わせることで、偽造が不可能な強固なセキュリティシステムを実現。
光照射後、経過時間によって吸収スペクトルが徐々に変化

  • ①長波長のバンド(緑)が減衰 (30ミリ秒)
  • ②短波長のバンドが(橙色)減衰 (100ミリ秒)
  • ③580nmの成分が残る

発明の概要

本発明は、高速発消色特性を示す高速フォトクロミック材料を利用することで、着色時の吸収スペクトルだけでなく、スペクトルの時間変化を認証に用いることで高度なセキュリティを保障するものである。光照射に伴う色変化が視認できる退色速度を有する高速フォトクロミック分子と、人間の目では視認できない数百マイクロ秒~数ミリ秒程度の高速退色速度を有する高速フォトクロミック分子を数種類混合してインキ化するために、その組み合わせは無限である。使用ごとに、組成物や混合割合を変えることで、偽造は不可能になる。

従来の蛍光を利用したセキュリティ・インキは偽造が容易!

着色状態から消色する速度の異なる高速フォトクロミック分子を数種類混合することで、他のインクでは真似のできない、高度なセキュリティ・インキを実現可能!

TCCPインキ(Temporal-Color-Changing Photochromic Ink)
用途に合わせてカスタムメイド可能!無限の組合せを実現!

パルス光照射を停止すると、上図のように時間とともに色が変化する。
ダイオードアレイ検出器で色の経時変化を検出することで認証する。

従来技術との比較・優位性

 近年、磁気カードをターゲットに急増し、社会問題化しているスキミング犯罪は、カード内の情報を不正に読み取り、その情報を使って第三者がカード所有者になりすましたり、カードを偽造したりするという意味で、まさにセキュリティ要件が突破された状態であるといえる。一方、ICカードといえども内部情報を100%守れる構造になっているわけではなく、ICカード内部の情報を不正に読み出す手法もゼロではない。特に、中国ではカード発行枚数が急増しており、その偽造対策が急務とされている。
 クレジットカード等はICカード+セキュリティ蛍光インキの有無で真贋判定している。しかし、蛍光インキは偽造が容易であるため、より強固なセキュリティシステムが求められている。
 従来のフォトクロミック材料を利用した従来のセキュリティインク材料は、着色状態の吸収スペクトルだけで真贋を判定するものである。

想定される用途

【想定される製品】
紙幣、印紙、クレジットカード、身分証明書(パスポート、免許証、IDカード)、証明書、ブランドプロテクション関連(高級品パッケージ 例:タバコ、酒、医薬品)

ライセンス可能な特許

発明の名称:セキュリティマーク、及びその認証方法、認証装置及び製造方法、並びにセキュリティマーク用インク及びその製造方法
国際公開番号:WO2015/133056
登録番号:特許第6571633号米国10449798

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