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1,2-ビス(ジフェニルフォスフィノ)エタン(DPPE)骨格を有する化合物の新規合成方法
~エチレンを原料とする各種置換基を有するDPPE誘導体合成~

美多 剛(北海道大学 化学反応創成研究拠点)

発明のポイント

  • ・エチレンと、安定なジホスフィン化合物からDPPE骨格を有する化合物が合成可能
  • ✔ 所望の置換基を有するDPPE誘導体を、自由度高く設計、製造できる。
  • ✔ 原料化合物は安価なエチレンと、安定な2種類のジホスフィン化合物
  • ✔ 温和な反応条件で進行する。

発明の概要

計算結果を参考にして反応経路を考察し合成化学実験で実証

「エチレン」と「2種類のホスフィン化合物」に光照射をすることで合成可能。

  • エチレン:汎用化学品
  • 2種類のホスフィン化合物:合成自由度大
  • 光照射:高温加熱、加圧不要

計算科学の手法により、極めて反応が進行しやすい経路を見いだし達成した。

従来技術との比較・優位性

  • (従来技術)
  • DPPE骨格を有する化合物は合成上の制約大。
  • →ごく簡単な置換基を持つ化合物、またほぼ「対称構造」化合物の合成に限られていた。
  • ⇔複数の任意の置換基導入や、非対称構造の化合物の合成方法は見いだされていなかった。
  • (本発明)
  • ・目的の置換基を有するホスフィン化合物が得られれば、目的化合物は合成可能
  • ⇒原料の極性や、中間体合成後の反応性低下といった現象が起こらない。
  • ⇒現時点で、ほぼ無制限に、置換基を有するDPPE骨格を有する化合物が合成可能。
[合成例]
  • ・DPPE骨格の左右で非対称な化合物
  • ・芳香環が有する置換基がすべて同じもの、すべて異なるもの、極めてbulkyなもの
  • ・芳香環が有する置換基が、骨格の左右で電子供与性と電子吸引性が混在するもの

・・・・・原料のホスフィン化合物が合成できれば、すべて合成可能である。

想定される用途

  • ✔ 新規のDPPE骨格を有する化合物の製造
  • ✔ 新規の金属配位子、それを用いた錯体及び錯体触媒等
  • ✔ 新規の電子材料 等

ライセンス可能な特許

発明の名称:化合物の新規製造方法、新規化合物および金属触媒
国際公開番号:WO2023/017841

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