JST >> 知財活用支援事業 >> ライセンス >> “推し”技術情報 >> 均一な液滴を速く、大量に!

均一な液滴を速く、大量に!
並列流路を使った最新の『エマルション(微小液滴)』生成技術

西迫 貴志(東京工業大学 科学技術創成研究院)

背景

マイクロ流路を用いた液滴生成技術(図1)は、デジタルPCRや細胞分析等の用途にて、世界中で広く実用化されています。一方、本技術を高機能材料の生産技術として用いるために、流路を多数並べて生産量を大幅にスケールアップさせる(ナンバリングアップ)装置が開発されています(図2)。しかし従来装置では、各流路に流量を均等に分配するために二次元、三次元方向の複雑な流路配置が多く用いられ、装置の加工や運用に難があることが課題です。

図1. マイクロ流路を用いた液滴生成技術
図2. 量産装置例(Lab Chip 2012)

発明の概要

図3. 平行型スリットデバイスの概要(上面図、断面図)

新技術:スリットを用いた液滴量産装置

  • ■マイクロ流路アレイとスリットの組み合わせ(図3)
  • ■スリットとマイクロ流路の接続部にて液滴生成(図4)
  • ■従来装置に比べ、内部の流路構造が大幅に単純化
  • -より高密度な流路配置が可能に。
  • -利便性が向上、より保守管理しやすい装置に。
  • ■多相液滴の生成にも対応(図5)

実験結果

図4. 平行型スリットデバイスにおけるW/O液滴生成(流路数:323本)
図5. 二相液滴(コアシェル、ヤヌス型)生成

想定される用途

  • ■乳化操作全般(食品、化成品、医薬品、農薬他)
  • ■機能性微粒子の生産
  • -ハイドロゲル粒子(薬剤・細胞内包、図6)
  • -薬剤内包PLGA粒子(図7)
  • -異形粒子、表示材料、圧力センサ用カプセル他
  • ■マイクロ・ナノバブル生産
図6. アルギン酸カルシウムゲル粒子
図7. 薬剤内包PLGA粒子

ライセンス可能な特許

  • 1. 発明の名称:マイクロ液滴・気泡生成デバイス
    国際公開番号:WO2019/168130(移行国:日本、米国、欧州)
    登録番号:特許第7254365号(1.30MB)
  • 2. 発明の名称:マイクロ液滴・気泡生成デバイス
    国際公開番号:WO2021/182632(移行国:日本、米国、欧州、中国)
    登録番号:特許第7390078号(708KB)
  • 3. 発明の名称:マイクロ二相液滴生成デバイス
    国際公開番号:WO2022/107898

リンク

●この技術のPDF版はこちら(8.11MB)

●“推し”技術情報一覧へ戻る

●JST保有特許リストはこちら