双性イオン化合物を用いた細胞の凍結保存
黒田 浩介(金沢大学)
平田 英周(金沢大学)
発明のポイント
- ・双性イオン液体(Zwitterionic Luquid):
- 既存の溶媒やDMSOと比較して細胞毒性の低い溶媒
- ・動物由来物質不含で細胞凍結保存液として利用可能
- ・化学合成で大量に製造可能




- ゼブラフィッシュの受精卵:
- 5%DMSO水溶液で培養
- ⇒毒性により不完全な発生
- 5%ZIL水溶液で培養
- ⇒正常に発生
従来技術との比較・優位性
【モノマータイプの双性イオン化合物】
従来技術との比較

- ZIL(OE2imC3C)と水のみの水溶液
- ⇒市販品(FBS含有)と遜色ない凍結保存効果
細胞凍結に弱い細胞の凍結保存

- ZILとDMSOの併用
- ⇒従来、凍結が困難であった細胞も凍結保存可能に
【ポリマータイプの双性イオン化合物】
構造


効果

- 上矢印:細胞間でマトリックスを形成
- 下矢印:細胞膜上に蓄積
- 細胞外でマトリックスを形成し、細胞内への氷晶の流入を防ぐ
- ⇒細胞を守ることによる凍結保存効果の向上
かつ
細胞浸透性物質の混合割合低下にともなう毒性の低減
想定される用途
- ◎ 卵細胞、がん細胞、iPS細胞等の凍結保存液、凍結保存培地
ライセンス可能な特許
- 1. 発明の名称:非プロトン性双性イオンを用いた未分化促進剤及び凍結保護剤
国際公開番号:WO2020/230721 - 2. 発明の名称:生体試料の保存剤組成物
国際公開番号:WO2023/243727