ナノダイヤモンドを用いた生体内たんぱく質構造解析技術
細胞における分子1個の回転運動を3次元で検出するナノ量子センサーを実現
~医学と生命科学の発展に幅広く貢献~
白川 昌宏(京都大学)
五十嵐 龍治(量子科学技術研究開発機構)
発明のポイント
蛍光観察による磁気共鳴スペクトル分析(ODMR)信号強度の増強が可能な、ナノダイヤモンド(ND)表面の化学修飾手法を開発
発明の概要
電子供与性基(-OH)を有する分子で表面修飾することにより、ND表面近傍のNVセンタ(NVC)に電子を供給し、有効なNVC(-)の生成促進・ODMR信号強度の増強に成功。
タンパク質-分子の構造の変化や、回転運動などをリアルタイム観測可能できる手法(SIP法)を開発することにより、知られざるタンパク質の機能解明に期待。


タンパク分子構造変化により、ナノダイヤモンド粒子が回転


高周波磁場を印加した際のODMRシグナルピークシフトから回転角を決定
従来技術との比較・優位性
【ND表面にOH基を導入し、従来比2.5倍以上のODMR強度が得られるする技術を開発】

想定される用途
- 創薬
- 候補物質の作用効果を、細胞内において分子レベルで確認できる。マイクロアレーなどを用いることにより、効率的な薬剤スクリーニングに応用可能。
- DDS
- キャリア物質の働きを確認する研究等にも使用可能。さらに、ダイヤモンド粒子そのものもDDSキャリアとなる。


- 上:薬剤無添加時
- 中:上皮胃成長因子添加時
- 下:ラトランクリンA(抗がん剤)添加時
ライセンス可能な特許
発明の名称:ナノダイヤモンド粒子およびその製造方法ならびに蛍光分子プローブおよびタンパク質の構造解析方法
国際公開番号:WO2014/058012
登録番号:特許第6117812号(571KB)、米国9465035(1.52MB)